五 「不思議ね。私たちも十ニ違うだなんて」 五歳ほど上と思った奈美は、彼より一回り多く、三十八歳だった。宗治も三十三のとき四十五歳の明子と出会っている。 マンション九階の奈美の自宅兼職場は、ときおりベランダに鳩が […]