「共」に「生」きる。 in 阿蘇

『伝言』・その一

一  あなたの言葉は、僕にはとどかない。 脩一は確かにあのとき、奈美にそう伝えた。二人が待ち合わせた喫茶店でだ。大きな杭で打ち抜いたような細工の施された赤銅色の傘から、白熱灯が光を漏らしている。両手を軽くテーブルに置き、 […]