里子にそう言われてみれば、ぼくにしても篠見の前学期の後半に見せた行動は、少々合点のいかないことが多かった。 事実、篠見はぼくにも金を借りにきていたのだ。額は五千円で、さして大した額ではなかったが、他の生徒には言わない […]