○月○日水曜 私がささやかなこの日記を書くにあたり、その目的を明記しておきたい。 まず、その一つは、緘黙の息子が、唯一不意に洩らした言葉、それがこの島の名前であったこと。妻の突然の蒸発の後、二人で暮らしてきた八年の歳 […]