「共」に「生」きる。 in 阿蘇

2011「夢屋だより(新緑号)」からです。

今年度も、よろしくお願いいたします。

地域活動支援センター「夢屋」代表   宮本 誠一 

あの3月11日、私たちはいつものようにパンづくりをし、丁度、宮地小学校へ配達していました。私は、調子を少し落としていた康揮さんと車で待っていると、配達してきた地利世さん、深雪さんが、先生たちが皆テレビのところへ集まっていて、自分たちが職員室へ入っても最初気づかないくらいだったと言います。すぐに車のラジオをつけるとアナウンサーの動転した声、どうやら地震があったようです。これは相当大きな地震に違いないと、康揮さんの家につくや(お母さんがお仕事から帰られるのが遅い時、いつも三人で待つようにしています)テレビをつけ、画面一杯に広がる家屋や車、美しい田畑がいともたやすく濁流に押し流されていく姿に我が目を疑いました。これは映画の一コマではないか? でも悲しいことに、それは起きてしまったのです。

その後、一週間ほど、配達の先々でお客様と交わす言葉は、重苦しい中にも、お互いの健康や暮らしの無事の有りがたさを思い、これからも元気にやっていきましょうね、といった内容でした。おそらくその言葉の裏側には、自分たちの無力さもさることながら、被災地の方たちへの溢れるほどの思いがお一人お一人の苦渋の表情の中に込められていたように感じます。

言葉は確かに無力かもしれませんが、改めてこの場をかり、被災地の皆様へ、心からのお見舞いとお悔やみを申し上げたいと思います。夢屋の4月からの主な活動内容は以下の通りです。

4/1 本年度の仕事始め。しっかりといつものようにパンづくり、配達等をやりました。

4/6 内牧の市立体育館周辺に、メンバーで花見に行きました。

4/13阿蘇きぼうの家の移転及び就労継続支援B型「スマイルファミリー」開所式へ、康揮さん、

深雪さん、地利世さん、拓郎さん、宮本、竹原で出席し、ご挨拶を通しエールを贈らせて頂きました。

4/14 夢屋スタジオで、音楽をこよなく愛する小学校の先生、渡辺大さんが初のライブを行いました。絵本の読み聞かせやトークなども織り交ぜながら、ポップスあり、人生の応援歌あり、盛りだくさんの演目にお客様も大満足でした。

4/30 「野菜ty(のなてぃー)」に益城町から4名の宿泊がありました。

5/3 「野菜ty(のなてぃー)」に北九州から4名の宿泊がありました。

5/17 阿蘇市人権・同和教育推進協議会総会に竹原が参加。

水道を捻ればおいしい水が出てき、空気を思いっきり吸えること、日頃当たり前にできていることがいかに有りがたく貴重なことか、今回の震災だけでなく、これまで多くの災害を見てくるたびに思っていたはずなのに、人はどうしても時間とともに忘れてしまいがちです。自戒も込め、この自然の恵み大きな阿蘇の地に生かされ、障がい者の作業所という素晴らしい活動の場を皆様に支えられ運営させていただいていることを深く深く心に刻むとともに、被災地の皆様に一日も早く、安心して暮らせる日常が戻って来ることをお祈りする次第です。

  

ちょっと耳より・ご紹介コーナー(12回)  

今回は「夢屋」の すぐ裏の田圃で有機農業をされている竹原マリコさんにインタビューしました!!

Q:有機農業をされるきっかけは何ですか?

A:父も農業でしたが、当時農薬を使っていて、腎臓や肝臓などを悪くし、子どもなりに心配していました。昭和49年に一念奮起し、無農薬に取り組みだし、私も受け継いでいる形です。すると父の体も、みるみる丈夫になり、収穫量は多少落ちたかもしれませんが、健康には変えがたいと実感しています。 

Q:草取りなど手作業で大変でしょうが、やってよかったと思われるのはどんなときですか?

A:まずは素晴らしいお米が実った時ですね。そして買って頂いている方(長い方で20年)から、お礼のお手紙や、ご家族の健康な様子などを伝えてもらったとき格別のものがあります。 

Q:女性が一人で農業をする上での御苦労はどんな点でしょうか。

A:今は機械化もすすみ、力作業ではほとんど苦労はなくなりました。でも家の片づけとか、家庭の仕事との両立がいつも気になるところです。夫が勤めていますがとても協力的で、仕事帰りに食事の材料なども買って来てくれます。息子たちも空いた時間に仕事を手伝ってくれますし、家族力を合わせやっているというところでしょうか。 

Q:これから農業でもっとやってみたいこと、こうなったらいいなあと思うことはありますか?

A:自分たちのやり方は、あくまでも自然と共存しながらボチボチやっていくことだと思っています。田植えなど、周りより少し遅れることもありますが、ストレスのない形でやることが自分には合っているようです。それから、政府が減反政策をしなくてもすむように、もっともっとお米を消費してほしいですね。 

Q:最後に「夢屋」に一言、お願いします。

A:くるみパンが好きで、いつもおいしくいただいています。それで…(そこでニヤッと笑み)、お米パンもぜひ取り組んでもらえればなあと思うんですが……。(インタビュアー、冷や汗)それから、もっともっといろんな人に「夢屋」のことを周囲にアピールして、支えてもらいながらこれからも続けていってほしいと思っています。私も微力ながら応援しています。 

去年、市の広報「ひと」欄で、まるで映画のワンシーンのように馬と見つめあっているマリコさんの記事をごらんになった方は多いかと思います。どんな大変仕事も「好きでしよるとだけん……」とニコニコ笑顔……いやあ、頭が下がります。

*≪嬉しい!ご近所さん≫* ♪(₌^。^₌) ♬♪             *中島地利世*

不思議なもので、何もかもが新しくなるこの季節になると気分もウキウキしてきます。4/24で私も【夢屋】⑧周年! 何もかもが新しくなるこの季節になると気分もウキウキ♪そんな楽しい気分の中、さらに嬉しい事がありました。なんと、あの湯浅聡子さん率いる軍団(笑)いえ作業所《きぼうの家》さんが、[内牧]から近くの[竹原]に移転して来られました。

湯浅さんは、私達【夢屋】のメンバーにもとっても、優しくて面白くて、話が聞き上手な面倒見の良い姉御肌の人で、他の皆さんも、いつも楽しく賑やかに迎えて下さいます。漫才で言う、ボケとツッコミの様な【夢屋】と《きぼうの家》がこんなに近くに揃ったらこの辺りの地域はさらに明るくなる事は間違いなしだと思います。

先日は、私達メンバーまで開所式にお招き頂いて、みんなで行ってきました。そこで私は、宮本さんの次にメンバーを代表してお祝いの言葉を言わせて頂きました。その内容をここでもご紹介させて頂きたいと思います。↓こちらです。 

『この度はおめでとうございます。「きぼうの家」さんとは、親しくなってもう五年くらいになると思いますが、まさかこんな近くに引っ越して来られるとは思いもよりませんでした。一ヶ月前見学した際、障害者の事をとてもよく考えて素晴らしく改装されていて、私も「夢屋よりも、こっちに来たいなぁ」と思ったくらいでした。(場内から笑い起こる)今のは冗談ですが(さらに笑い)、これからは年に一度でもいいので、一緒に何か行事がやれれば嬉しいです。これからもどうか宜しくお願いします。【夢屋】メンバー代表 ~中島地利世~』 

↑以上、発表する時は「こんな大役…」と緊張で心臓バクバクでしたが、会場の皆さんに大笑いして頂き、「ホッ!」と安心したら汗だくでした。でも、式(1部)の後、湯浅さんにギュッと抱きしめてもらった時の方が緊張しました。(笑)

全部終った後の交流会(食事)もすごいご馳走で、美味しかったので「晩ご飯の分まで」と意気込んで食べていると、さすがに苦しくなったので止めました。(@_@;)《きぼうの家》さんの「いつもトイレをピカピカに磨いてお待ちしています」のお言葉に甘えて、帰り途中にしょっちゅう寄るかもしれません。宜しくお願いしま~す。(笑)

毎日、見れる場所というだけで心強くもあり、あっという間に、建物の前どこそこに《きぼうの家》の目立つ看板を立てられたのを見て「油断ならんな…夢屋も負けてられん」と良い刺激にもなり、私も⑨周年…⑩周年へと、向上心を持って頑張っていけそうです。ちょっと道に出るとすぐお会いする機会が増えましたが、どうかうっとうしがらずに…^^;これまで同様、末長く仲良くお付き合いして頂けたらと思っています。

パンの配達15年~人とつながる喜びを知って~    佐藤清子 

パンの配達をしていると、どこそこの家庭でパンが活躍していることが手にとるようにわかります。木曜日に受け取りの方は、金曜日の朝、サンドイッチしているとのことです。バタートップを2個ずつご主人と仲良く食べられていることをニコニコ話される方もいらっしゃいます。また、土曜の朝フレンチトーストを楽しみにしている方も。卵をといてから、それに牛乳を加え食パンをしばらくつけ、油とバターで焼き方にもとてもこっているそうです。話を聞いているだけで、こちらまでうれしくなってきます。

また私の担当の精神科の先生は、とても長くパンを取ってもらっていますが、自分の机の上にのせていると、いつのまにか若い先生方がおやつがわりに食べてしまっているそうで、しかも一度や2度ではないそうです。

夢屋のパンを配達し始めて15年になりますが、こんなつながりができて、楽しくてやめれないのです。

ある年配の奥さんの話だと、何か協力したいけど、大きなことはできなのでパンだったら力になれるだろうと食パンと菓子パンをとってくださっています。ほんとうにありがたいことだと思います。私たちも、パンをつくる者、袋づめをする者、配達する者と、これからも気をひきしめてがんばっていきたいと思います。

 コウキ&マイ日記  byチー

4月13日・水曜日(晴)

今日は「きぼうの家」さんの開所式にお招き頂いて、【夢屋】の皆で行って来ました。本当はマイちゃんもいればもっと賑やかですが、残念ながらお休みで、まるでその穴埋めをするかの様に絶好調なコウキ君♬ 集まられた方の一人一人が挨拶されている時も、タイミング良く「ん~っ!」「あ~っ!」と叫んだり「フフフッ」と可愛らしい笑い声を出して、周囲の雰囲気を和ませていました。おかげで私も、お祝の言葉を言う時にあまり緊張せずに喋る事が出来ました。

4月6日・水曜日(晴)

今日は、朝から市役所に書類を届けに行って、ちょうど市長が職員の方に朝の挨拶をされていて、コウキ君も握手をして貰えて、とても喜んでいました。夢屋に着くと、今日もマイちゃんはお休みで、少し寂しい雰囲気の【夢屋】でした。コウキ君が病院に行く日なので、迎えの車が来る前に少し早めに外に出て、日向ぼっこをしている事にしました。とても天気が良い日で、日当たりが良い椅子に座っていたら、ますます絶好調で「ん~ん~ん~っ」と言いながら屈伸運動に励んでいました。そうすると、足元にすり寄って来た野良猫を不思議そうに見つめているコウキ君でした。

3月23日・水曜日(くもり)

今日は、コウキ君もみんなと一緒に、朝から《山田小学校》まで卒業式用のケーキを配達して来ました。皆が車から学校の中へ運び出す時も、元気に車が揺れる程…屈伸運動(応援?)に励み、出勤して来られた先生方を笑わせていました。夢屋に着くと、マイちゃんがお休みの日なので…少し元気ありませんでしたが、みんなが帳簿用の注文票の切り方を始めると、自分の好きな紙の音が「ガサガサ」いうので「ん~!♬」と満足そうに首を振ったり、いらない部分の紙を拾い上げて振り回したりして遊んでいました。

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