「夢屋だより」2024.4/25春号からの文章です。
〇今年度も夢屋をどうかよろしくお願いいたします。
2024.4. 作業所「夢屋」代表 宮本誠一
今年は元旦から能登半島地震、その後TSMC(台湾積体電路製造)が2月に開所したのも束の間、4月には台湾で大地震発生と自然災害はいつでもどこでも起こり得ることをまざまざと見せつけられている気がします。また今回の能登半島地震では私個人、信じられないことがありました。2月23、24日の熊日新聞の記事を見てのことですが、一人の熊本出身の方が輪島市のご自宅の二階崩落によって亡くなられたという内容でした。お顔の写真とお名前を見た時、我が目を疑いました。2018年にご夫妻で二度も夢屋を訪ねて来られ、熊本市内で障がい者の支援事業を始められた方でした。障がい者当事者の視点を大事にされ、笑顔を絶やされない優しく誠実な方でした。私もこれまでの自分の経験をお伝えし、メンバーとの漫才や歌をご披露しました。すぐに奥様にお悔やみをお伝えするとお辛い中にもお気遣いとお礼を言って下さいました。
また3月には阿蘇動物病院の院長であられた小嶋維男先生がお亡くなりになりました。阿蘇町議時代から文化活動に熱心に取り組まれ、JAZZ愛好会や手話サークルを立ち上げられたり、熊本県獣医師会長も長く歴任されました。しかし何より素晴らしいのはその人柄です。保護猫などの事情や家庭の財政事情を汲み取り治療費を安くして下さったり、学校で児童が飼育している生き物は無料で診て下さることもありました。災害時のボランティアの運営組織リーダーも務められ、率先して現地へ出向かれていました。私は夢屋を宮地に開所して以来のお付き合いで、蔵原移転の際は親身に悩みを聞いて下さり、大変心強く思ったことがつい昨日のようです。移転後もパンを買いつづけ、支えて下さいました。いつかお別れが来ることとはいえ、ほんとうに残念でなりません。生前の御厚情への感謝とともに心よりご冥福をお祈りさせていただきたいと思います。
4月14、16日熊本地震から早くも8年目となりました。能登復旧は熊本と比べ遅れも危惧されています。あの日を体験した私たちだからこそ、被災地の皆様が少しでも早く安心して寝食できますことを祈るばかりです。
最近、地域の児童さんと下校後、メンバーたちがボール遊びなどをすることが増えました。体験学習もそうですが、「共生」というかしこまった言葉でかこって頭で考えるだけでなく、一緒にパンをつくったり、ボールを投げあったり、声をかけたりする中で相手の存在を肌で感じることが、何よりも理解につながるのではと思いやっています。では3月から5月までの行事(予定を含む)をご報告させて頂きます。
3/5笹木博康さんが22歳の誕生日を迎え、実習開始から「夢屋」5年目に入る。自宅から元気に通所継続中。
3/28阿蘇から西原村へ異動の先生が、交流学習の際の児童さんの感想文や写真を持って挨拶に来られる。
4/1 夢屋、開所30年目。地域を始め、たくさんの方々からお祝いの品やお言葉、メールをいただく。
4/7 松谷文華堂リニューアルオープンイベント〜肥後琵琶演奏会鑑賞(演者:岩下小太郎さん)。
4/8阿蘇市内小学校始業式、見守り隊3年目。文芸誌『革(KAKU)』を神戸の善野氏から謹呈を賜る。
5/14阿蘇市人権・同和教育推進協議会開催(サンクラウン)。夢屋からも竹原ナホ子さんが参加。
5/16夢屋開所の発達障がいの青年命日。23回忌。農園を耕し、夏野菜を数種類植え、豊作祈願。
1995年4月に開所しました夢屋もいよいよ30年目に入りました。当時阿蘇郡で初めて一人の発達障がいの青年の自立支援をしようと民間無認可で立ち上げ、現在「地域活動支援センター」として市の委託を受け、13名の登録者と継続させて頂いていますが、これもひとえにパン購入のお客様始め、市民の皆様、行政教育関係者のご理解ご協力の賜物と心より感謝しているところです。初心を忘れず、障がい者が地域でごくふつうに暮らすことを基本にやって行ければと思っております。今年度も夢屋をどうかよろしくお願いいたします。
〇胃ろう介護が始まった母 中島 地利世(チトセ)
今号のお便りでは、久々に母の最近の様子をお知らせしたいと思います。昨年末、12月4日に起こったことです。その日は朝から「いつもより少し身体が暖かいな~?」という違和感があったので念の為体温を測っても平熱で、普段通り動いたり笑っていたので油断してしまいました。午後から体調がおかしくなり、暫く横向きに寝かせていましたが、夕食時になっても変わらなくて呼吸もしづらそうだったので、19時頃にまた体温を測ってみたらなんと40度にあがっていました。
血圧も低く、すぐ救急車を呼び、阿蘇医療センターに搬送してもらいました。CTや血液検査等の結果、数十年前(パーキンソン病を発症前)に、腎臓結石の治療(結石を砕く)の通院を途中でやめていたのですが、その時の残った石が別の場所につまって、自力で排尿できず高熱もそれが原因で、すぐに緊急入院となり、日赤病院へ転送になりました。
母には妹が付き添い、私は義父の車で追いました。途中、救急車は一般道路、私たちは二重峠トンネルへと別れて通ったので先に到着し駐車場で待っていると、すぐに救急サイレンが鳴り響きやってきました。待合室で一時間ほどたって呼ばれました。担当医の説明では「尿毒症で全身感染されているからショック状態でした…まだまだ油断はできません」と言われ、その後も4人も医師が入れ代わり、難しい説明が多くついて行くのが必死でした。
深夜0時を回った頃、溜まった尿を出す為に尿管ステントを挿入することになり、手術室に運ばれて行きました。3時間ほどで終わり、説明後は待合室で待機、また説明…の繰り返しで、そのまま朝の6時まで病院にいました。私たちだけで一旦帰って、午後からまた入院の手続きで日赤に向いました。熱さえ引けば、阿蘇医療センター転院が可能とのことなので年内には帰れると簡単に考えていたら、なかなか安定せず、結局、日赤で新年を迎えることになりました。点滴ばかりで食事が直接できないので体力がつかず…入院中に面会できたのは一回のみ…それも15分だけでした。
今年に入ってようやく転院が決まり、1月12日に阿蘇医療センターに帰って来ました。動きが活発な時、鼻から入れている薬や栄養の点滴チューブを勝手に抜いたりするので、「いろう」というものを勧められました。それこそ、お腹から管を引っこ抜いたりしたら…と不安もありましたが、今のままでは栄養が全く足りず、どんどん悪くなるばかりなので、何度も家族で話し合いつけてもらうことにしました。いよいよ退院日が近づいて来た時、前号で書きましたが、当時の住環境課の中田さん、コミュニティーセンターの国武さんの御尽力で引っ越せた市営住宅に在宅医療相談員さん、訪問ケアマネージャーさん、訪問看護士さん、介護用品スタッフさん達が何度も下見に来て下さり、重度介護対応の車椅子、自動ベッド、点滴スタンド等のレンタルを手配し、サッシ窓入口には昇降機を取りつけ、室内は段差がないよう改善して貰えまるで病院の個室のように充分な準備が整いました。
退院してからは、訪問入浴サービスや通所介護サービスの日時も決まり、何から何までありがたく、つくづく母は幸せ者だなと思います。ここまで順調に準備を進めることができたのも、これまでかかわって下さったすべての方たちのお陰だと、感謝の気持ちでいっぱいになりました。今後も大変なことがたくさんあるかと思いますが、ご厚意を無駄にしないように、兄妹で協力し合い、お世話を頑張っていきたいと思います。
〇児玉美紀先生の文章です。裕子さん博康さんの元担任で今もパン買い支援して下さってます。
2024年は年明けから能登半島地震、羽田空港の飛行機事故とつづき、何とも言えない忘れられないお正月となってしまいましたね。熊本がそうであったように、一日も早い復興ができますよう心からお祈りしたいと思います。
夢屋の皆様におかれましては、仕事も始まり、寒さに負けず元気にパンづくりに励んでおられることでしょう。
「新年号」も楽しく読ませていただきました。今回は3人の方が小学生の皆さんとの交流の様子を書いて下さってたので、以前より児童さんたちへの言葉かけ、教え方などが上手になられたなと感じました。パンづくりでは立派なミニ先生ですネ!!
また、歌や踊り、イラストなどそれぞれの特技も一段落して磨きがかかってきたと思います。次に見せていただくのを楽しみにしていますよ。
夢屋さんと児童さんとの交流はもう何年になるのでしょう。何年も前からずっと続いていますよね。ほんとうにすごいことですね!! 宮本さん、竹原さんのお力は言うまでもないことですが、そのお二人に、夢屋さんで働いておられるお一人お一人の頑張り(パワー)が加わって、素晴らしい夢屋さんができているのだと思います。
つづりを読みながら、届いたばかりのパンをいただきながら、そんなことを思ったことでした。ほんとうにおいしい~~パンをありがとうございます。
ちとせさん、新しい部屋で新年のスタートがきれ、新しい年の期待で胸が膨らんでいることでしょうね。皆様の一年が良い年になりますように!
〇2023年10月23日阿蘇西小学校から交流学習にきてくれました。児童の皆さんの感想です。
●パンづくりを教えてくださり、ありがとうございました。その中でも、パンをくふうして形にするのが心に残りました。パンはとてもおいしかったです。
●パンはおいしかったです。今度は阿蘇西小学校で一緒に交流しましょう。
●おじゃましました。心に残ったのはしょうがい者のかたのお話です。わたしの家族にも足が不自由な人がいます。つくったパンはおいしかったです。
●パン作りを教えて下さり、ありがとうございました。僕はパンがとても好きなので、作り方を教えてもらってとてもうれしかったです。僕が一番心に残ったのは計りで強力粉をちょうど50グラムにできたことです。
●ぼくは初めてパンづくりをするのが、とても楽しかったです。
●わたしはパンがとても好きなので、つくり方を教えてもらってうれしかったです。ミヤモッちゃんといっしょに歌の練習をしたのがとても楽しかったです。
●ぼくはピクミンのパンがつくれたのがうれしかったです。
●一番楽しかったのは、ミヤモッちゃんが歌を聞かせてくれたことです。作ったパンはとてもおいしかったです。ありがとうございました。
〇~こちらこそ、皆さんと楽しくパンづくりができ最高でした。ありがとうございました!
~メンバーの文章にもありますように、1月29日に阿蘇小学校の児童さんが夢屋にパン作りの体験学習に来てくれました。パン作りだけでなく歌や国旗当てゲームなどをしました。素敵な写真や感想もいただきましたのでご紹介させていただきます。本当にありがとうございました。
●パンづくりたのしかったです。ひろやすさんがおしえてくれてうれしかったよ。
また行きたいです。
●パンをつくったこと、ありがとうございました。ぼくはたくさんパンをつくったのは初めてでした。夢屋のメンバーのみなさんはやさしかったです。
●きょうは、ありがとうございました。ぼくはゆうこさんにいろんな国のはたのもようをおしえてもらいました。
●パンづくりをおしえてもらったのでじょうずにつくることができました。うれしかったです。ありがとうございました。また家ぞくでいきたいです。
●パンづくりをおしえてくれてありがとうございました。パンのきじを切るのがむずかしかったです。
●ぼくがはじめて知ったことは、手をあらうときにせっけんをつかわないということです。たのしかったのは国のはたあてのクイズです。2回正かいしました。みさきさんの歌はおもしろかったです。パンはロールパンにしたり、ぐるぐるにしたり、ゾウをつくったりしました。メンバーの人はとてもやさしかったです。学校にかえって食べたらとてもおいしかったです。ありがとうございました。
●今日は夢屋さんにいくのは不安でしたが、パンづくりやゲームをしてくれたので、よかったです。パンをつくるのが不安でしたが楽しかったです。最初、手をあらうときせっけんをつけないのをはじめてしりました。最後は、みんなとなかよくなれてよかったです。