「共」に「生」きる。 in 阿蘇

東日本大震災・原発事故から12年、犠牲になられた方々へ心より哀悼の意を表したいと思います。

夢屋より、2023年の向春のご挨拶をさせていただきます。
2023.2.14作業所「夢屋」代表 宮本誠一

新年が明けると今年度の終わりもやがてですが、皆様、いかがお過ごしでしょうか。三寒四温そのままに一気に気温が下がり風雪に身震いする中、体調など崩されておられないことを祈るばかりです。夢屋のメンバーは幸運にもコロナ感染や大きく体調を崩すこともなく、パンづくりや配達、販売など日常の活動をやらせていただいております。これも日頃よりお支え下さるお客様、地域の皆様、行政関係者の方々のお力と改めて感謝申し上げる次第です。
さて、年明け早々、毎回、表紙に素敵な詩を掲載下さっている有馬安弘さんが訊ねてこられました。有馬さんは今年80歳で、高森で自らつくられた農作物と年金を支えに生活をされています。そばも大好きで、ご自分で育成されたものをこれまでは個人経営の店で製粉してもらっていたそうですが、高齢化や輸入物の増加で製粉所がなくなっての相談でした。さっそく阿蘇市内で数件当たってみると特に熊本地震以降、機材の破損などで廃業された方も多く、やはり時代の流れには勝てないと諦めていたところ、ネット検索で、今では個人用の碾き臼が販売されていることを知り、購入のお手伝いをさせていただきました。そば好きの方は全国に大勢いらっしゃり、自分で挽き、打った麺の味は格別ということで、このような道具も販売されているのかと感心した次第です。しかし同時に、食料自給率がカロリーベースで38%(令和3年度・農林水産省調査)と言う現実がこのような形であらわれるのかと突きつけられた気もしました。それでは1月から3月までの行事(予定を含む)をご報告させていただきます。
1/5仕事始め・メンバー全員無事に年越してさっそくパン作り後に近所にご挨拶。
1/8蔵原地区のどんどんや に行く。1/10 小学校始まるとともに「見守り隊」の活動始め。
1/31社会福祉法人熊本YMCA理事会参加(宮本)。
2/12中島地利世さんの誕生日を皆で祝う。
2/15メンバー、スタッフでオルモ・コッピアで昼食会。
3/12九州芸術祭文学賞表彰式に熊本県地区代表で宮本参加(宮崎県)
4/1夢屋開所29年目に入る。いよいよ30年目へ向けてのカウントダウン。
日々の物価高騰もですが、もう一つ気がかりなのはウクライナ情勢です。そもそも他国侵攻したロシアが悪いにせよ、その後、西側諸国がウクライナへ供与する武器が少しずつエスカレートしていることに恐怖を感じます。例えば第二次大戦後、ナチスによるファシズムの反省から反戦平和主義に徹してきたドイツでさえ、当初「殺傷兵器を送らない」方針で『ヘルメット』だったのが、今は高性能な『戦車』になってしまいました。今後、戦闘機、長距離ミサイル、果ては核爆弾にならないという確証はありません。またそのとき日本は、そして地球はどうなるのか。大人は自業自得だとしても、子どもたちに未来はあるのか。戦争はどんな理由であろうがあってはならぬことを今こそ声を上げねばならない、そんな正念場の気がしてなりません。
最後に私事ではありますが、昨年12月18日に母が享年89歳で老衰のため亡くなりました。阿蘇へ来て教師も含め30年、多くの方にご心配いただき、お悔やみのお言葉をかけていただきました。この場をかりて心よりお礼申し上げます。本当にありがとうございました。

●いつも応援して下さっている児玉美紀先生から昨年末にいただいたメンバーへのお手紙をご紹介します。
児玉史郎、美紀ご夫妻を始め、夢屋のお客様は皆さん、配達の際、温かな言葉を下さります。その一言一言で続けることができました。本当に心から感謝申し上げる次第です。

~ちとせさんへ~
お母さんの介護、毎日ご苦労様です。特に通院の日は朝から夜まで大変な一日を過ごされているですね。病院での付き添いはまわりの方に気を遣うこともあり、心細い思いをしたり、ハラハラしたりしながらお母さんを見守っておられるのでしょう。そんなときにお母さんをよく御存じのの看護師さんやお医者がおられて、いろいろと配慮して下さるのはとても子心強いですよね。こんなかかわりのできる看護師さんのような方が増えるといいですね。もしかしたら初めはお母さんの言動に驚いておられた方たちの中にもお二人を温かく見守っておられる方がいらっしゃるかもしれませんね。いつも前向きにお母さんに寄り添っているちとせさんの姿を見ていらっしゃる方は必ずおられますから。
ほんとにお母さんを大切に思い、一生懸命にかかわっておられることは今回のつづりを読ませてもらい、私の心にしっかりと伝わりました。私も母の介護をしたことがありますが、週2回くらいしかできなかったので、ちとせさんの御苦労を思うとほんとうに頭が下がります。亡くなった母に対しもっとできることがたくさんあったなあと申し訳ない気持ちになりました。介護は体力もいりますよね。無理し過ぎずお母さんともども、健康に過ごされますように! 来年も良い年になりますように! 心からお祈りしています!
~裕子さんへ~
児童さんを迎えて、どんな話をしたのか、どんなことをしたのかなど「私の絵を見て話したこと」にはていねいにつづってあったので、そのときの様子が手に取るようにわかりました。つづりの中で児童さんや担任の先生に自分から積極的に話しかける様子に感心しました。そして「すごく上手よ、心がこもっている」と児童さんをほめたところ、元担任の先生に自分でつくったパンをプレゼントしようと思ったところなどに裕子さんのやさしさや思いやりや気配りなどのあたたかさを感じ、たいへんうれしくなりました。ひとことで言えば、『裕子さん、大人になったなあ!!』です。
〝夢屋だより〟でこんな発見ができるなんて、いつもおたよりを届けて下さることに感謝!
ほんとうにありがとうございます。来年も楽しみにしています。
~博康さんへ~
児童さんといっしょのパン作り、とても楽しかったようですね。博康さんもまだ学校に行っていたころ、何度か夢屋さんでパン作りをさせてもらったことがあったでしょう。その博康さんが今度は児童さんたちに教える番になってるなんてすごいねー。3年間、しっかり頑張ってきたので、あなたの腕の見せどころ!だったかな? パン作りのほかにもおたがいにとくいな歌やダンスで楽しい時間を過ごせたようですね。一日ご苦労様でした。来年はもう4年目なのですね。夢屋のみなさんと楽しく1年が送れるよう元気でがんばってくださいね。来年も夢屋さんのおいしいおいしいおいしーいパンが届くのを楽しみにまってます。
~みさきさんへ~
職場体験生との一日はとても楽しい時間となったようですね。今度来られた児童のお母さんがみさきさんと同級生だったなんてビックリ!です。いろんな出会いがあるもんですねー。自己紹介のときのみさきさんとその児童さんとのやりとりが聞こえてきそうで、読んでてなんだか楽しい気分になりました。
みさきさんたちにわかりやすく教えてもらい、児童さんも頑張って楽しみにしていたパンができあがり喜んでおられたことでしょうね。みなさんで歌をプレゼントしたり、ダンスを見せてもらったりなどの楽しい活動の様子やできあがったパンを児童さんが紙袋に入れる様子などを想像して、私もまた楽しくなりました。夢屋さんからは美味しいパンを届けていただくだけでなく、みなさんのパワーも届けていただきありがとうございます。来年も元気でがんばって下さいね。

●『年末からのドタバタ』    中島 地利世(チトセ)

また、新しい年が明け、初「夢屋だより」を書いています。
昨年末、23日に「夢屋」が終わり「正月くらい少しでもゆっくりできる時間あるかな~」と期待して予定を考えていたら、同時に末妹からのLINEで「コロナに感染してしまった」という、最悪な連絡が届きました。ニュースや身近の知り合いから被害にあわれた方の数や症状を聞いているだけで、いつもどこかで心配かつ不安でしたが「初めて家族が…」となると、やっぱりその深刻さのレベルは変わってきます。幸か不幸か、別々の家で暮らしているので、私達は濃厚接触者にならずに済みました。しかも末妹と一緒に済んでいる家族は、病院の受付業務(警備員)に勤め、日頃から対応に慣れた兄だったので、すぐに妹がいる端の部屋の襖や障子をビニールカーテンなどで遮断し完全な個室を作りあげ、自分は反対側の端に離れた部屋から看病を引き受けてくれました。それでも私達他の家族は、妹からの連絡を受けてすぐ、念のために母がいる家を念入りに換気と消毒をして、外出は控え、暫く自分達の様子も見ることにしました。4~5日ほど過ぎ、私達は全く何の異常もなかったので、正月料理の材料などを買いに行くついでに、外出できない妹の分も、食料、飲料、日用品…必要な物は全て買い足し、庭に回り縁側がある方の窓のカギを開けてもらっておいて、そこから廊下に置いて帰りました。ガラス窓越しに手をふり帰る時、妹が悪いわけじゃないのに、申し訳なさそうな顔をするのを見て、何ともいえない…胸がつまる思いでした。それからも、数日ごとに買い足した物を兄に渡したり、兄も買って帰ったりしてくれ、一週間 過ぎた頃ようやく「味覚と嗅覚が戻らないけど、熱とかの体調が少し和らいできた」と連絡が入り、ホッと一安心できました。皆さまも、どうか、くれぐれもご用心下さい。
今、このお便りを書いている時、ちょうど選挙期間で、あちらこちらから車で移動されながらの放送が聞こえてきます。この寒空の中 一生懸命お話されているのを聞きながら、思い出すのはやはり母のことです。私達がまだ子どもの頃、昼は清掃、夜は飲食店と働きづめで、女手一つで育ててくれました。その飲食店で、お客様の前で歌ったりもしていて、「なかなか発声が良い」と評判で、たまたま当時の対馬市長が来店されていて、なんと、〝選挙カー〟で名前を放送するお仕事を紹介して頂いたそうです。それは良いのですが、経験不足なうえに練習期間があまりなかったので、緊張から焦ってしまいマイクのスイッチが入っているにも関わらず、余計な部分を喋ったり、あり得ない事に、担当していた候補者の名前を間違えて紹介してしまい言い直す…など、とんでもないミスの連発で町内中の笑い話に…。でも、逆にそれで「候補者の名前がより印象に残って投票したよ!」と慰めて下さる方もいらっしゃったそうです。今では考えられない、ちょっと緩い時代だったのかな?それともこんな事、対馬の人だけでしょうか。(苦笑)そんな今となっては、懐かしい笑い話をふと思い出しました。最後に、個人的な事ですが、今年はいよいよ「夢屋」に入所して20周年!これも全ては、日頃から「夢屋」のメンバーやスタッフはもちろんのこと、「夢屋」を支えて下さっている皆様から励まして頂いて元気を貰っているからこそだという事を忘れないように、気持ちだけでも若返り、これからも元気にパン作りに励んでいきたいと思います。今年も、「夢屋」ともども、どうぞ宜しくお願い致します。

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