「共」に「生」きる。 in 阿蘇

~『熊日文学賞』について思うこと~その2

~『熊日文学賞』について思うこと~その2

 

昨年の12/31、つまり大みそか、私は以下のようなことを予想し、ここへ書かせていただきました。

 

「私、予想しますに、今回の受賞は小説・エッセイーの岡田利規氏の『ブロッコリー・レボリューション』、もしくは評論・ノンフィクションの半藤英明氏の『徳冨蘆花ー天性に順ひ、眼光に依頼せよー」のどちらか、もしくはダブル受賞と思っています。理由は簡単です。作品の完成度として一つ頭を抜けている(と思われる)からです。選考理由としてはこれほど明確なことはありませんし、それでいいのです。文句ありません。ですが、私、ここからが言いたいところです。プロアマ関係なく選定、もしくは応募して選出されるこの賞、まあ、どう見積もってもプロの、しかも三島由紀夫賞まで受けられたり、現役の大学教授の論説と<素人>との文章を同じ土俵に載せること事態、結果がほぼ見えているのではないでしょうか」

 

いよいよ年が明け、先日の1/25の熊日朝刊にて貴文学賞が選出され、岡田利規氏の『ブロッコリー・レボリューション』が選出されました。岡田氏には心より祝意を申し上げたいと思います。本当におめでとうございます。

 

さて、結果は予想通りと言うことになったのですが、次に新聞紙上に見出しとして載せられた作品評価の言葉として『独特な文体 高い構成力』とありました。

 

私のおおみそかの予想と考えの流れからすれば、「そりゃあ、『三島由紀夫賞』受賞の作品と作家が〝独特な文体〟と〝高い構成力〟を持っていなくてどうするんだろう。当然だろう」と言うことなのです。

かりに、もしそうでないようなことでもあれば、『三島由紀夫賞』一次選考の出版社の諸人や最終選考の作家の皆さんの慧眼と根幹が揺らぐことにもなりかねません。

 

それでですね。

私、正直、もうあれこれ申し上げるのはやめようと思っていたのですが、これを最後という事でご勘弁願うとして、早い話、前回も書かせていただきましたが、既に高い高いハードルをクリアし、全国のプロという<枠>の文学世界で評価を下されている作品が候補として上がり、私ごとき素人が予想しても、やっぱりその予想を裏切ることなくその通りになってしまうことで《出来レース》に近いものともとらえられかねない『熊日文学賞』の〝在り方〟をそろそろ見直した方がいい時期にきているのではないかとどうしても思ってしまうんですね。

それで12/31日にも、あくまで個人のアイデアとして提案をさせていただきましたが、それが次の内容です。

 

①プロとアマを分け作品選考し、各部門で受賞を設ける。(もちろん予算面もあるかもしれませんが、賞金は現在の半分でよかろうかと思います。応募者たちが求めているのは金銭ではないはずと私は思っております)

②熊本在住年数を現在を入れて最低10~20年ほどにする。(現行の無規定だと、1年でもいいこととなってしまいます)

 

で、たまたま最近発表された地方の文学賞として【仙台短編文学賞】というのが熊日紙上にあり、ネットで調べてみたところ対象、資格は次のようになっていました。

 

●対象

ジャンル不問。日本語で書かれた自作未発表の小説に限り、仙台・宮城・東北となんらかの関連がある作品。

 

●資格

応募原稿は完全な未発表作品に限ります。小説講座・文章教室・同人誌(SNSサークルも含む)などにテキストとして提出、あるいは公開した作品の投稿については選考の対象外とします。同じ作品による他の文学賞への二重応募は認めません。応募は1人1作品に限ります(2作品応募した場合はどちらも選考対象外となります)。

『仙台・宮城・東北となんらかの関連がある作品』

うむむむ……。

「なるほど!」

私は、そこで思わず膝を打った次第なのです。

 

そうなのだ、ここなのだ、こここそもっとも重要な部分なのだと。

未発表作品に限定するしないはひとまず置いとくとしても、内容が熊本と関連せずしてどうするのか。

そこで改めて、自分のアイデアの③として『熊本 となんらかの関連がある作品』という項目をあげたいと思ったのです。

 

また、もし地方の一賞としての<枠>を超えるものを目指すのであれば、ここは思い切って郷土を代表する偉大なる作家のひとり、石牟礼道子氏の名を冠させていただき、

 

『石牟礼道子賞』

 

を創設し、〈世界〉に向かって「環境」「紛争」、果ては「ジェンダー」「格差」「差別」と言った現代において待ったなし、抜き差しならぬ切実かつ重大なテーマを基軸に置いた作品を募集したらどうか、とも思ったのですが、いかがなものでしょうか。(夢屋代表 宮本誠一)

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