「共」に「生」きる。 in 阿蘇

夢屋より仲秋のご挨拶をさせていただきます。

夢屋より仲秋のご挨拶をさせていただきます。
             2022.9.14   夢屋代表 宮本誠一
残暑つづく中、朝夕、少しずつ凌ぎやすくなってきたと思いきや、大型の台風もやってきました。皆様、お変わりありませんでしょうか。前号では夢屋のメンバーのご家族の疾病のお話をしましたが、私の母が荒尾市の実家で転倒し、大腿骨頸部骨折により入院、手術となりました。要介護の父と2人、週3回の訪問介護を受け、生活しておりましたが、ついにこのような形となりました。おりしも8/22に一の宮保健センターで「部落差別解消法」に関する学習会で講話させていただき、職員の皆さんへ介護でご苦労されている方々はお互い励まし合いやっていきましょうとお話しした矢先のことでした。今後は、コロナの厳しい状況下、ケアマネージャーさんと相談しながらしかるべき最善の道を模索していくことになります。今回、ご迷惑、ご心配をおかけしましたすべての皆様に心からのお礼とお詫びを申し上げたいと思います。
さて、9月以降、「秋の値上げ」が目白押しです。小麦粉や豆腐、食用油など、どれ一つとっても日常生活にはかかせません。その根本的原因は輸送コストとなる石油価格の上昇です。以前にも書きましたが、日本の食料自給率は38%(2019年度カロリーベースによる試算)で約6割は海外からです。当然、運搬費用がすべての物品に加わっており、今回のロシア・ウクライナ危機のように生産国の政治状況が直撃することは当然でしょう。転ばぬ先の杖、様々な災害もそうですが、平時から自給率を上げておく政策へ転換すれば、農業や畜産の盛んな阿蘇の産業の活性化にもつながります。コロナも含め、待ったなしの時期にきている気がしてなりません。
8月から10月までの行事(予定も含む)をご報告させていただきます。
7/25 阿蘇市学校人権・同和教育研修会にメンバー、スタッフ全員で講師として実践発表。
7/26 池邉美早さんの誕生日をメンバー皆で祝福。
8/1 大津町から「NPO 風とねむの木の会」さんがパン作り交流会。
8/22「部落差別解消推進法」に関する学習会で一の宮小中学校全職員対象に宮本、竹原が講話。
8/28 山内裕子さんの誕生日
9/4甲斐誠さんの誕生日
9/14中島和子さんの誕生日
10/13 小嶋康揮さんの誕生日をメンバー皆で祝福。
今夏、メンバーの博康さんを連れ、仙酔峡の峡谷で水遊びをしました。清らかな湧水が流れ、火山岩の凹凸は深さも様々で遊ぶにはもってこいです。彼はアゼリア仕込みの泳ぎで見事なクロールを披露してくれました。また手野の大杉で有名な国造神社の境内にもコンクリートの下地に溝が通り、渓流が走っています。素足で歩けば気持ちよさ抜群です。「みんなの森」は散歩にはもってこい。雑木林にはカブトムシもいて、大きな雄を一匹ゲットしました。
ここ十年つづいていた両親の介護が今回の入院でピークとなり、くたくたに疲れきって帰路についた時のことです。大津からいよいよ二重の峠トンネルに入り、長い空間を抜けた右手には五岳が闇に浮かび上がりました。そのとき私は確かに声を聞いた気がしました。「待ってたぞ」山々はそう言うとハンドルを持つ私を丸ごと温かく包み込み、厳かな気持ちに思わず涙が出そうになりました。移動は2時間半近くですが、やはり帰ってきてよかったと実感しました。精気を養わせていただき、また荒尾へ行けたらと思います。阿蘇には感謝しかありません。
『少し、反省が残った研修会』
中島 地利世(チトセ)
毎年恒例の「課題別研修会」が、7月25日(月)、14時から行われました。
月曜日は、母の訪問介護とリハビリが、午前中10:00 ~11:00で、午後13:00~14:00と2回に分けてあるので、準備なども含めて時間が重なってしまいます。なので、その日だけ午後のリハビリ時間を16時からに変更してもらい、宮本さんにも相談したら、これまでは一旦「夢屋」に集合して、皆で市役所の北側別館に向っていましたが、私は朝「夢屋」には行かず、時間になって一人自宅から直接 市役所に歩いて行く事にして、帰りも途中で抜けて、早めに帰れるようにして貰えました。
予定時間より30分も早めに市役所に着いてしまい、暑い場所だったのでどこかに移動しようか迷っていたら、近くの日陰で草取り作業をしていた高齢の女性が「こっちの日陰においで!」と呼んで下さいました。その人と、暫く雑談していたら、なんと、妹が勤めている清掃サービスと同じ会社の人という事がわかり、驚かれた様子でした。「凄く丁寧な子でね!一生懸命 頑張りよらすよ!」と、褒めて下さって、自分が褒められているように、嬉しくなりました。仕事の様子など詳しく話してくれて、楽しく笑ったりしていると、おかげさまで30分なんてあっという間に過ぎました。時間になると、「夢屋」の車が到着したのが見えたので、入口に向かい、みんなと一緒に会場に入りました。コロナ感染者がたくさん急増しているので、今年もオンライン会議かと思っていたら、先生方が会場に直接 足を運んで下さって、通常どおりに戻っていました。席について緊張で落ち着かないでいると、日頃から優しくして下さっている先生が、わざわざ席のそばにご挨拶に来て下さって、気持ちがホッと安心して、だいぶ励みになりました。今年のお題は、小学校時代から現在までの体験を振り返って、特に一番「楽しかったこと」、逆に「嫌だったこと」をお話しする事になりました。
宮本さんが、「本番の時に話しやすいように…」と、事前にアンケート用紙を作ってくれたので、そこに思い出しながら書き込んでいきました。良くも悪くもたくさんの経験をしてきたし、しかも自分の場合、小学校時代は40年近くも前の記憶を思い出さなければならないので、なかなか苦労しました。(苦笑)そのうちの一つで「夢屋に来て嫌だったこと」と言う質問もあって、私は大勢の前で話す時に緊張するので、「基本的には嫌なことは無いのですが、」と前置きした上で、「今日のように、特にお相手が「先生方」という会場などで発表する時が、一番苦手です」と正直に答えました。言った後に、恐る恐る先生方のお顔を見たら、苦笑されている方、驚かれてたり少し悲しそうな方、後で「憂鬱な気分になるにも関わらず、毎年、有難うございます。」と逆に感謝して下さる先生もおられて、これだけ暑い中、わざわざ来て下さっているのに、「生意気な発言だったな…」と、そこだけ反省の気持ちがぐっとわいてきて、ちょっぴり複雑な気持ちになりました。途中休憩の時間になった時、ちょうどそろそろ会場をでないといけない時間になったので、挨拶をして先に帰らせてもらいました。毎年のご参加、有難うございます。そして、お疲れ様でした。9月になりコスモスも咲き始めましたが、まだまだ続く暑い日々に参ります。昼間との温度差が激しく疲れやすいので、皆様、どうか体調を崩されませんように…。
7/25にあった阿蘇市学校人権・同和教育研修会の先生方の感想から抜粋し、紹介させて頂きます。暑い中、最後まで一緒に考え、貴重なご意見ご質問を頂戴し、ありがとうございました。
●夢屋の皆さんがにこやかな表情でずっと話されていたことがとても素敵でした。〝共生〟という言葉はあちこちで耳にしますが、〝形ばかりの共生〟はその場しのぎに終わると思います。社会に生きる人が無理なく、対等に過ごすことのできるものでないと続かないと思います。
●〝共生〟とは人の力で補うのでなく、時間を共有し分かち合うことにハッとしました。
●何となく上下関係の中で「助け助けられる」関係でなく、対等に過ごせる社会になることを目標にすること。時間をかけ生徒たちと向き合うことが一番だと思いました。
●「伝え合う」でなく「分かち合う」ことが、人とつながっていくことなんだなと思いました。
●夢屋の皆さんの本音(嬉しかったこと、嫌だったこと、夢など)をご自身の言葉で語っていただき、考えさせられたこと、くすっと笑えたこと、一緒に悔しい思いをしたこと…。わずかな時間でしたが貴重な時間になりました。
●ありのままの姿を知り、そこから関係を築いていかれる真髄を教えて頂いた気がします。
●学校や社会のゆとりのなさが冷たい対応や心ない言葉かけを生んでいると思います。メンバーが夢屋にくることで以前より、よりよい日常を送れ、自分の気持ちを表現できるようになられたことは素晴らしいことだと思います。
●心が耕され、夢屋さんは温かい場所だと思いました。おいしいパン楽しみにしています。
●チトセさんのご苦労の話を聞き、息子と重なりました。「がんばらなん!」と考えていた私にとって「もうがんばらんで帰っておいで」と身を案じて発したことは良かったと思いました。
●宮本さん、竹原さんとは以前から交流があり、多少は理解しているつもりでしたが、改めてお話を聞き、作業所運営の大変さや喜びを教えて頂き、生きる意義を考えさせられました。
●私にも障がい者の子がいます。おいてきぼりにされない、夢屋さんのような居場所があることは本当に幸せだなと思いました。
●ユウコさんの「学校で自信がついた」という言葉で、学校はそうあるべき!と思い、次にじゃあ、自分はそういう場づくりができているか?? と自問しドキッとしました。
●いい時も悪い時も語り合い「それでも一緒にいる」これこそ共生だと確信しました。私も自分のクラスの子どもたちと2学期、とことん向き合いたいな!と楽しみになりました。
●宮本さんが言われた心が感じ合えるつながりをつくっていくために、まずは私から心を開いていこうと思います。
●物理的なバリアフリーの完備がちゃんとしてあってこそ、「共に生きる」ことがより充実した形で可能になってくることに、なるほどと強く共感しました。
●学校の中で語られる「共生」には、夢屋さんでの「共生」と違って、少し嫌気がさしていました。なぜだかわからなかったのですが、「各自、自分の〈世界〉で生きているのです。夢屋はつまるところ、そのようなことを自由に考えたり感じたりすることがある程度保証された「居場所」であって~」の中に探していた答えがあるように思えました。
●「聞いてみないとわからない」。思い込みや決めつけがいかに多かったかと反省してます。
●教員や大人がまず心のバリアフリーを考え、誰もが暮らしやすい社会を創っていきたいです。
●今まで受けてこられたいじめや差別、偏見の目、デマ情報など思い出したくないこともたくさんあったことと思います。7名の方々のお話を聞けたことは私の財産になりました。教育の力で本当の「共生」を実現していきたいです。
●「いじめや差別は理屈ではない…、感覚です」との言葉がハッと重なりました。今担任している子どもたちが、うまく説明できなくとも一生懸命伝えようとしていることをしっかり聞ける自分でありたいと思いました。
●本校の生徒が夢屋さんのお力添えで次の転校先で意欲的に頑張っていることを聞け、大変うれしいです。お母さんにたまに会いますが生き生きとされています。支援学級出身の方の話を聞くのも初めてで、大変、貴重な時間を過ごせました。
●竹原さんが言われた「障がい者、高齢者を特別視せず、自然体で一緒に活動できるのが『共生』」という言葉に納得しました。
●差別への強い怒りを感じた会になりました。涙の裏にある多くの熱い思いが夢屋をつくっており、そのずっと奥にとても温かい人と人のつながりがあると思いました。
●障がいの有無や性別、年齢、国籍などにかかわらず一人の人間として自分らしく生きることができる社会(共生)にはまだまだ現実は、程遠いのだなと思いました。
●夢屋のメンバーの皆さんがこれまで闘ってきた差別を目の前にして改めて現実の厳しさを感じました。クラスや学校の子どもたちの特性をしっかり観察し、理解していきたいと思います。
●形ばかりの「共生」ではなく、心でつなぐ「共生」づくりを目指さなければと思いました。
●せっかく〝地域〟にあると言う良さを生かして、子どもたちをつなげたいと思いました。
●子どもへの声かけや接し方一つでも大きな影響があることを改めてか考えさせられました。
●一人一人に個性があり、それぞれの喜びや成長を認め合える世の中になるよう、教師として生徒の、そして自分自身の人権感覚を日々、磨いていきたいです。
●現在、竹原に住んでおりますので、夢屋さんにお伺いしたり、パンもぜひ買ってみたいです。
●ルールや社会観念、固定観念に縛られてばかりで形ばかりのやりとりをしていても、これからは何も変わっていかないんだなと今回の研修で感じました。
●ユウコさんの将来の夢が星の数ほどあり、その理由が昔いじめていた健常者の人を見返したいということに、何とも言えない心に重く感じるものがありました。

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