「共」に「生」きる。 in 阿蘇

『夢屋だより』夏号(131号)からの文章です

『夢屋だより』夏号(131号)からの文章です

〇暑い中、いつも大変お世話になっております。皆様へ、夏のご挨拶をさせて頂きます。

2022.7/7 「夢屋」代表 宮本誠一
雨が強く降ったかと思えば急に上がり、気温の急上昇による蒸し暑さなど、本当にまいってしまいますが、皆様、体調など崩されておりませんでしょうか。夢屋のメンバーはおかげさまで皆元気でやっております。ただそれぞれに家族が大変で、長年、お母さんの介護に奮闘する地利世さんはもとより、体調不良や疾患でお母さん、お父さんがそれぞれに入院したミサキさん、裕子さんなど、夢屋としては晩御飯や朝食の助けになればとお味噌汁や竹原さんから一品のおかずなどをもたせたりし、〝共助〟の精神で支え合っているところです。
さて、そんな中、新年度から少しでも地域のお役に立てればと阿蘇小の『見守り隊』に加えて頂いております。毎朝、57号線の横断歩道から豊肥線を渡り旧道の曲がり口まで、最初は口が重かった児童の皆さんも、親しくなるにつれ行事や部活のことなど話してくれるようになりました。しかし同時に楽しみなのは見守り隊の方々との交流で、常に児童の安全第一に立った視点は勉強になります。「踏切もちゃんと左右ば確認させんといかんね」と、一人一人止まらせ指導されます。その中心は前号でインタビューさせて頂いた区長の笹木郁夫さんです。消えかかった白線や道にぶら下がった電話線、さらには児童の毎日背負うランドセルの重たい中身など、迅速に市役所やNTT、学校長に検討を求められ、必要ならば区長名で要望書も提出されます。もちろんすべて解決するわけではありませんが、行動力は目をみはるばかりです。
見送り後、冗談や阿蘇の思い出話を聞くのも楽しみの一つです。「私どんが事故にあったら、見守り隊に見守り隊ばつけなんごつなるけん、お互いに注意しようね」「この林道は昔は学校への近道で、喉が渇くと甕の水ば飲ませてもろとった」。他にも内牧の歓楽街、阿蘇山上の観光客の賑わいの話と尽きません。しかし、話をうかがっていると、かつては住民同士のつながりもですが、子どもが成長していく過程で必要なものが地域にしっかりそろっていたのだなあと感心します。そこで夢屋も新しい試みとして時間が許せば、博康さんを連れ、下校の見守り隊をさせて頂いています。博康さんが黄色の〝横断中〟の旗をかかげて行くのです。最後に分かれるとき皆、笑顔で挨拶してくれます。「共生」は理屈なんかより一緒に時間を過ごすことが大切だなと実感する瞬間です。それでは5月から8月までの行事(予定も含む)をご報告します。
5~〝見守り隊〟として交通安全のため活動。竹原は民生委員として主に下校時に見守る。
6/7 訪問看護ステーションのデューン東熊本さんの紹介で阿蘇市在住の方が見学に来られる。
6/28 7/6阿蘇中、阿蘇小学校で「綴り」研修会の講師として竹原出席
7/7「夢屋だより」夏号(131号)を発行~メンバーのパン作り以外の楽しみ特集。
7/25 阿蘇市同和教育課題別研修会「共生」の教育に、メンバースタッフが講師として招聘。
8/2《「部落差別解消法」に学ぶ研修会》で宮本、竹原が、一宮中、一の宮小全職員に講話。
今回、【この人に聞きたい③】は阿蘇市観光協会長の菊池秀一さんです。様々な役職兼務の超ご多忙の中、取材を快諾して下さいました。竹原忠信さん、笹木郁夫さん、そして菊池さんと共通して感じたのは、阿蘇、そして地元への溢れんばかりの〝愛〟でした。しかも大自然に生かされ生活していることをごく普通に自覚された謙虚な姿がひしひしと伝わってきた次第です。改めまして、貴重なお時間を費やして下さったことに心からお礼申し上げます。

〇笹木博康さんや山内裕子さんを阿蘇小や宮地小で担任下さった児玉美紀先生からあたたかなお手紙をいただきました。先生は今もパンを買って下さり、週一度配達でお会いしてはあたたかな言葉でメンバーを励まして下さっています。ありがとうございました。
●「夢屋だより・春号」、楽しく読ませていただきました。お便りをいただくたびに時の流れを感じてしまいます。新しい年度を迎え、一人一人新しい目標をめざしてスタートされましたね。皆さん、今年度もよりおいしいパンづくりを目指して頑張って下さいね。我が家にパンが届いた日は焼きたてのパンの香りが部屋中に広がっていて、ほっとしあわせ感を味わっています。お天気が悪い時の配達など、ほんとうに大変だと思いますが、よろしくお願いします。お世話になります。毎日、お疲れ様です。
♡3年目になる博康さん、お仕事にもだいぶ慣れて楽しく夢屋さんに通えていること、「すごいな」と感じています。2年間、皆さんに教えていただいたことなどをひとつひとつ大事にして今年度もがんばって下さい。おいしいパンとあなたのえがおが届くのを楽しみにしています。
♡地利世さん、20年目、ほんとにすごいな~。1個のパンができあがるのに、いろんな苦労と工夫があるのだなと、改めて大変さが伝わってきました。地利世さんの頼もしいリーダーのもと、全員で力を合わせて頑張っているのですね。ほんとうに健康に気をつけて、マイペースで頑張ってくださいね。
♡美早さんは13年目ですね。歌っている人たちときいている人たちの心が一つになる夢屋さんの〝元気が出る歌〟『かまわないで、これ以上』や『イマジン』の歌をぜひもう一度、聞かせて下さいね。
♡裕子さん、いつも自分の心を振り返って前に進んでいこうとする姿勢が感じられて頼もしく思いました。洗濯や畑仕事など、あなたしか気づかないことや、やれることをコツコツと積み重ねていってほしいなあと思っています。元気で8年目も過ごせますように。
♡「母と女性教職員の会」に参加なさった先生方の感想を読んで、いい学習をされているなあと大変うれしく思いました。竹原さん、宮本さんお二人からいろいろと学ばれ、今後の子どもたちや保護者の方たちへの向き合い方など、明日からでも実践してみようと皆、元気をいただかれたことだと思いました。実践を続けられていること、ほんとうに〝すごい〟の一言です。

〇『☆最近の過ごし方☆』
中島 地利世(チトセ)
コロナが流行するまでは、毎年この時期になると、県外に一人旅!と言えば大袈裟ですが、ふら~っと気楽に出かけたりしていたのに、今の時期それもなかなか難しかったり、母の介護に追われる日々が多くなったり…このままでは、「いったい自分の時間はどこに!?」と、そんなわけで? 6月12日、久々に阿蘇を脱出! 出来れば映画館で観たい映画があったので、一日だけ時間を貰って、大分まで遠出してみました。
事前にネットでバスを予約したり、映画館の座席を予約したり…と、数年ぶりのこの感覚に、ワクワクしました。当日は朝 早めに家をでて、「宮地駅前」バス停まで歩いて行き、そこから乗車しました。
当然、乗る前に運転手さんから「検温と、アルコール消毒を…」と、お願いされたので、それを先に済ませて、指定席につきました。
まず行きたい場所は「大分駅」なので、電車の方が楽なのかな?とも考えましたが、使い慣れてるバスの方がわかりやすいし、障害者は割引料金(半額)でかなりお得なので、バスにしました。
大分駅ビル「JRおおいたシティ」に着いて、辺りを見わたすと一番 最初に目に入ったのは、「五重塔」のような建物でした。(あとで「ぶんぶん堂」という名前がわかりました。)たくさんの方が写真を撮っていたので、「結構 有名なんだな~」と興味がわき、近くに行ってみるとなかなか迫力がありました。
他にも、ちょっとした公園になっていて、お洒落な滑り台や昔話に出てくる「つづら」(中に入れそうなくらい大きいもの)が置いてあり、子どもが中に入って、楽しそうに遊んでいました。平日だと「くろちゃんぶんぶん号」というミニトレインも走るそうで、見れなかったのは、ちょっと残念でした。
五重塔(ぶんぶん堂)は、「3回上ると夢が叶うとか…」入ってみたかったですが、本来の目的の、映画上映の時間が近づいてきていたので、諦めて映画館に移動しました。
ここでもまずは、入口で検温と消毒をして中に入ると、出来るだけ密集しないように、歩き進むコースが決められていました。受付に行くと、本当に久し振りなので、ロビーに備えてある機械を操作する時に「こうだっけ…こっちだった?」と、ちょっとだけ手間取ってしまいましたが、何とか無事に着席する事ができました。当たり前ですが、やっぱりテレビ等で観るのとは全く違う迫力!☆
ストーリー内容も良かったので、大満足です。♪
映画が終わった後も、せっかくだから色々なお店をのぞいて、充分 満喫して帰りのバスの時間が来たので、帰って来ました。
一人で博多まで行き、気楽に一泊していた頃に比べると、結局…どこかで母の事が頭から離れず、日帰り旅行でしたが思い切って外出して、良い気分転換にはなりました。

〇これから地域や阿蘇はどうあるべきか~この人に聞きたい~
今回は、草原維持活動にも尽力されている阿蘇市観光協会長の菊池秀一さんにお聞きしました。
1、阿蘇市観光協会長に就かれてのご苦労とやりがいは、どんなことでしょうか。
「観光」は地域の様々な産業から成り立つ総合産業であり柱だと思っています。各分野の方々と話し合い、一つのテーマに向かって結束化し調整していく段階が一番神経を使います。たとえ自分と違った意見でも、なぜこの人はこういう考えなのかと相手の立場に立ち、すぐに組み合わさらなくとも、もしかすると別の新しいパズルの意見の方が出てきて微細に噛み合うかもしれないと、ひとまず取っておくようにしています。そうやってアイデアが具現化され、お客様、関わった仲間、双方から、やってよかったの言葉が返ってきたときがやりがいを感じます。
2、〝阿蘇市の観光〟への思いと、日々の活動の原動力をお聞かせください。
ファーストワン(最初の一つ)であれ! です。オンリーワン(唯一)でもナンバーワン(一番)でもありません。草千里の野焼きやバイクとランを組み合わせた阿蘇パノラマラインヒルクライム、阿蘇山上のドローン飛行会もその例です。まだまだ阿蘇の宝の可能性を眠らせている気がします。原動力は、ずばり『自分のため』です。経営者としても個人としても。クリーン協議会を立ち上げたのもその一環です。自分が幸せに生きるには他者の幸福なくてできません。皆、一つのカルデラで先祖が守ってきた草原に育まれ生活しているのです。ともに切磋琢磨し分かち合うことは、結局は回り回って自分を豊かにするはずで、逆もしかりということです。
3、災害やコロナ禍の中、阿蘇山上近辺の観光について今後の構想や思いをお聞かせください。
噴火のたびにマスコミ関係者は「規制は、今後の解除の見通しは」と聞かれます。安全上、当然と思いますが、私は阿蘇の噴煙を見ると、ふと「俺、最近、何か悪いことしたかな。山の神様、怒っとらすとかな」と気になります。それは古代から阿蘇とともに生きてきた地元住民ならではの感覚かもしれません。しかし日本は本来、地震や台風など多くの災害を生きぬき、根っこには自然への畏敬の念と感覚的つながりがあったはずです。そこで限定した山上の観光があっていいのではとも思います。例えば乗用車は一定の場所まで進入可とし、そこからは環境と安全配慮の電動バスで行く。専門ドライバーにより万が一の事故回避や避難も迅速化されます。いくつかのコースをご用意し、車中を含め阿蘇山やそこで暮らす人々の様子や歴史を学んでいただき、お客様が各地域へ分散した際、より深い理解と関係が生まれ、市民意識にも少しづつ「観光」が日常生活に返ってくる営みである実感が生まれる機会がつくれると思うのです。
4、最後に「夢屋」へのメッセージをよろしくお願いいたします。
障がい者の方々と日々、福祉事業を地道にされている姿には頭が下がりますが、あえて言わせていただければ、事業者も行政ももっと市民サイドへ、活動内容を周知していただくためコミットされていっていいのではとも思います。限られた予算と人員で大変かとは思いますが、それは私たち民間も同じです。もちろん一般的な商業と比べることは出来ませんが、市民の方々に知っていただくことはどんな事業にも共通する大前提だと思うのです。皆、阿蘇に見守られ生きる者たちです。内実を知れば、いざと言うとき何かのお役に立てれることもあろうかと思います。そのために今どんなことが必要か、これからも一緒に考えていければと思っています。

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