「共」に「生」きる。 in 阿蘇

夢屋だより(早春号・129号)からの文章です。

夢屋だより(早春号・129号)からの文章です。
〇夢屋から早春のご挨拶をさせていただきます。
                       2022.2/2 作業所「夢屋」代表 宮本誠一
 1月22日夜中、大きな地震(M6.6)が日向灘を震源地として起き、阿蘇も5弱の揺れがありました。皆様、ご無事だったでしょうか。幸い夢屋のメンバーとスタッフにけが人はなく、配達の先々でお声かけしていただき本当にありがとうございました。お客様も2016年の熊本地震の記憶が一気に蘇ったとおっしゃった方々がほとんどで、良きにしろ悪きにしろ、風化されてないことを実感しました。二度と来てほしくないですが、三十年内に南海トラフは高確率で起こるとされていますし、その際は貴重な体験をより良い方向へ生かせればと思う次第です。
 メンバーの一人、笹木博康さんが成人式を迎えました。これもまた地域の皆様が日頃から見守って下さったお蔭と感謝しております。夢屋代表として改めてお礼申し上げたいと思います。
 また美早さんが書いていますが、市内の中学生が6日間にわたり、自主的に体験学習に来てくれたことも大きな出来事であり、新しい試みでもありました。これからも様々なケースに応じて微力ではありますが、可能な限りのご支援をさせていただければと考えております。
 今回はP7に熊本YWCAの皆様によるオフグリッド(電力網につながらず暮らす)プログラム実践について、P8には農事組合法人「碧水」理事長である竹原忠信さんから記事をいただきました。どちらも現在の日常の課題を含め、これからどうあるべきか将来像へ向けてのヒントが見えてくる貴重なものと思われます。お忙しい中での寄稿や取材協力に深謝いたします。
 それでは1月から3月までの行事(予定を含む)をご報告いたします。
1/9 笹木博康さんが成人式に出席し、市長の『NO.1』『題名のない今日』の2曲に感動する。
1/17 社協だより(1/17)のシリーズ地域の力⑦に「夢屋」を掲載していただく。
2/12 中島地利世さんの誕生日。皆でお祝いをする。夢屋勤続はついに20年に入る。
2/27故竹原幸範氏の御命日(2018.2/27午後5時55分百歳永眠)メンバースタッフでお参り。
3/5 笹木博康さんの20歳の誕生日。『母と女性教師の会』に昨年に引き続き宮本、竹原が、夢屋の歩みも含め、「家族とどうつながるか」をテーマに講演。
3/19 イラストを描いて下さっているオルモ・コッピアの女将竹原さとみさんのお誕生日。
 ここ数年、夢屋へ小中学校の教職員や保護者の皆さんからの体験学習の依頼や相談が増えてきました。例えば一の宮小学校では、昨年末からコロナ禍での配慮をしながら、自立活動「パンの注文をしよう!」という交流学習を通じ、申込書づくりから注文数や代金の集計、FAXでの注文、商品の受け取り、お礼やお手紙を書くといった学習内容を児童自らが行うという、生きる力が身につく試みをされています。実際に行うに当たっては、こちらからのご意見も充分くみ取っていただき調整頂いた上で、結果、児童の皆さんの生き生きとした笑顔に配達に行ったメンバーたちが出会うことが出来ました。教職員の皆様のご努力には頭が下がる思いです。そんな中、最近考えるのは現在、小学から高校の両輪として普通学校と特別支援学級や学校がありますが、その間の〝橋渡し〟や〝新たな自分発見〟の場に夢屋が役立っていれば作った甲斐もあったなと思ったりしています。4月から夢屋もいよいよ27年目へ突入です。これからも皆様と一緒に歩ませて頂けたらと願ってます。どうかご支援ご理解の程よろしくお願い致します。
〇これからの阿蘇や地域はどうあるべきか
~この人に聞きたい①~
今回は夢屋をいつも支えて下さっている農事組合法人『碧水』理事長の竹原忠信さんにお聞きしました。
1、農事組合法人『碧水』をつくるきっかけを教えて下さい。
担い手不足、高齢化に加え先祖から受け継いだ土地や地域文化を継承し、次世代へ伝えられるのは我々の世代(60代後半から70代)が最後じゃないかと、「今、やるしかない」という強い思いで始めました。
2、法人運営で大事にされていること、ご苦労をあげるとすればどんなことでしょうか。
考えてばかりじゃなく、実際にやってみることをモットーにしています。新しい作物作りへの取り組みや、そのために必要な機械や技術の習得、資金調達等を円滑にするため、事が起こった時でなく、普段から委員一人一人との会話を大事にし、市や県の担当者とも連絡を密にしています。そうすればいざというときにスムーズに動くと信じています。『碧水』だけでない、阿蘇市にある近隣の法人の利益も考えた上でのビジョンを関係者に伝えておくことが大切だと考えています。苦労面は現在、肥料や燃料のほと
んどが輸入ですし、農業も当然、販売を含めコロナや世界経済の動向の影響を受けずにはおれません。委員全員がメリットを感じる線はどこか、常に理想だけでなく生活が成り立つ地点を大事に動いています。
3、これからの日本の農業はどうあるべきだと思われますか。
例えば、中山間地域では直接支払交付金制度など国の支援がありますが昨年末、今後五年で麦、大豆等の作付けを含め「一度も水張りしなかった水田」は交付対象から除外する決定がされました。このような制度改正は今後、少しずつ進んでいく可能性があります。その意味でもより一層、法人同士がつながり合い、プール(合同で計画し無駄をなくす)計算を行うことが重要な鍵になってくるでしょう。現在、「スマート農業」と言ってロボットや情報通信技術(ICT)を活用し、省力・精密化や高品質生産へ時代は向かおうとしてます。農作地の広範囲にドローンを飛ばし、作付けや肥料撒布、天候らの過去のデータと照合し計画を立てていくわけです。それらが新規就農者の確保へ結びついていくことも期待しています。
4、最後に「夢屋」へのメッセージをよろしくお願いいたします。
蔵原に引っ越してこられ14年間、メンバーの個性をとてもよくつかみ、しっかりとした運営をされていることを間近に見てきました。また、毎回『夢屋だより』を読ませていただき、一人一人の成長も手に取るように伝わってきます。私個人として、わずかですが毎年新米を寄付させていただいてきたのは、そんな皆さんのお気持ちが少しでもほころび、笑顔が見たい、ただその一心からでした。これからも蔵原でごいっしょに仲良くさせていただければと思っております。どうかよろしくお願いいたします。

〇2021.10/16~17日に、NPO法人熊本YWCAの方々が、夢屋の運営する保養所『野菜ty(ノナティー)』で、電気を使わない生活体験に取り組まれました。このような小さな試みの積み重ねが広がることで新たな再生可能なエネルギーを主体とした段階へと進んでいくことと思います。『野菜ty(ノナティー)』はそんな実践の場に、これからもお役に立てていけたらと思っています。(このたび感想と活動内容についての寄稿をしていただきました。感謝申し上げる次第です)

〇昨日から12名で利用させていただきました。今回は電気をつかわない生活体験ということで、照明はつかわない、スマホも使わないというルールの中で、生活してみました。いつもより寝る時間が早いにもかかわらず、全員ぐっすり眠りました。光の刺激がなかったからかなあと話をしていました。朝は、野菜tyの周りを散歩したり、ヨガをしたりして過ごしました。日常から解放されてゆっくりとした時間を過ごし、リフレッシュできました。(利用者一同)

〇~オフグリッドプログラム〜電気を使わない生活〜

NPO法人熊本YWCA 堀 綾夏

熊本YWCAとは、多様性を大切にし、人権・平和問題・留学生支援・災害支援などに多世代の仲間が集まり、取り組んでいる団体です。Cosmopolitan委員会はその中でも、ユースメンバー(高校生から30代)が中心となって活動をしており、毎月の委員会や人吉での米作りといった様々なプログラムに取り組んでいます。また春には毎年、福島の子どもたちを対象にした保養キャンプを行っています。原発などのエネルギーや環境問題は、私たちにとって重要な課題であり、「みんなで楽しく体験し、考えることができるプログラムをしたい!」と思い、このオフグリッドプログラムを行うことになりました。

「オフグリッド」とは、電力会社の送電網につながっていないことを指します。このプログラムでは、照明・スマートフォンといった電力から離れて過ごしました。1日目の「電力について考えるプログラム」では、初めに、日本におけるエネルギー・発電の供給割合、電力自由化について話しをしました。その後、オフグリッドについての説明と自分達が日頃使用している電力はどんなものか、削減できる電力は何か考え、話し合いました。また、夜にはろうそくの明かりのもと、みんなで話したり、暗闇を楽しむゲームをして過ごしました。日が暮れるのが早く夜がとても長く感じましたが、とてもリラックスでき、楽しい時間を過ごすことができました。

2日目は、阿蘇参勤交代の道「二重峠の石畳」を歩きました。YMCAの堤さんのガイドで山頂を目指しました。道中は、参勤交代の籠置き場跡地で休憩したり、アオキの葉にメッセージを書いたり、「巨人が突き刺さったような木」を見たりなど歴史を感じ、自然とふれあいながら歩きました。天候に恵まれた為、山頂では阿蘇を一望できる絶景を眺めることができました。

この2日間を通して、私たちが日頃どれだけの電力に頼り生活していたかを改めて考えさせられました。必要な電力と、そうでないものを自分で取捨選択し、環境に配慮した暮らしをすること。また、日本のエネルギー・電力事情に目を向けることの大切さを学ぶことができました。参加者からも、「楽しかった。節電を心がけたい」と言った声が聞かれました。有意義なプログラムを行うことが出来て本当によかったと思います。ご協力下さった皆様、ありがとうございました。

〇『『病院での年越し ^^; 』

                  中島 地利世(チトセ)
先月まで、「県内はコロナ感染者が連日0人」というニュースが続いていたのに、今度は「オミクロン株」という感染力がレベルアップしたウイルスの影響で、次々と感染者が増えるニュースを見て、その倍増の早さに、またまた不安の振り出しに戻ってしまいました。
いつも温かく、親身に接して下さるお客様や、「夢屋」関係者の皆様に、大きな被害がありませんように、願うばかりです。
今年初のお便りは、「オミクロン」が流行し出す、少し前の年末のお話を書かせて下さい。
昨年末、「体調が悪いな…」と言う日が続き風邪をこじらせたので、母の介護は妹達に任せて、住宅で一人、しばらく休ませて貰っていました。ずっと横になっていて、薬は飲むし、汗はよく出る方なのに、枕元に置いていた水分がなくなり、炊事場まで動くのもしんどかったから、水分をあまりとらなかったのが悪かったのか、余計に悪化してしまいました。
31日には、一時、立ち上がりすら出来なかったので、「ちょっとヤバいな~…でも救急車は呼びたくない」と思い、病院の「時間外」受付をしている兄に電話して、症状を説明したら、自分の仮眠時間を削ってまで迎えに来てくれました。
兄の顔を見て安心したら、意識が曖昧になりかけて車内で眠ってしまいました。
その間に病院に到着、意識がハッキリして来た頃には、診察してPCR検査も済んでいるらしく、鼻に違和感だけ残っていました。
兄に「お前、鼻だけは小さいのに、あんな長い麺棒(検査用)をつっこまれていたで」と聞いて(一言が余計!と思いましたが、今回ばかりは有難く、兄に頭が上がらないです。)
…あまり記憶がない時で、不安で怖い思いをせずにすみました。(苦笑)
結果は「陰性」でしたが、これから感染しないとは限らないので、これで安心せず、出来ることは何でも、念入りに予防していきたいと思います。
その日はそのまま病院に一泊して、点滴をして貰っているとだんだん気分がハッキリ良くなってきて、お腹も減って来てグーグー音が鳴ってしまいました。(笑)
様子を見に来て下さっていた看護師さんが、「余り物で良ければと…」と、コッソリ「年越しお蕎麦」を持って来て下さったので、すぐ食べたらとても美味しかったです。
元日の朝食でお雑煮を戴いて、昼に帰宅した頃にはスッカリ楽になっていました。
まさか、年明けを病院でする事になるとは思いもしませんでした。
同じ言葉の繰り返しですし、説得力ない私が言うのもなんですが、皆さま出来るだけ外出時の人混みを避けて、しっかり予防もして頂いて、ご健康でお過ごし下さい。
この先、コロナの不安がいつ終息するのか、「夢屋」もどんな困難が待っているか、予想もできませんが、今は出来ることを、コツコツ元気に「トラ」イしていきたいと思います。
また今年も一年間、宜しくお願いします。m(_ _)m

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