「共」に「生」きる。 in 阿蘇

「夢屋だより」2021初冬年末号からの文章です。

〇今年も大変お世話になりました。師走のご挨拶をさせていただきます。
               2021.12.8 夢屋代表 宮本誠一
気がつけば12月も1週間が過ぎ、今年もあとわずかとなりました。振り返れば全国的にはコロナ問題を始め、熱海の土石流や各地での地震など心配の種は尽きません。ただそんな中、自然災害に関しては『温暖化』と言うテーマが世界的に提議されて以来、徐々にとらえ方も変わってきているようです。特に若い世代が抜本的な産業構造の変革を様々な場所で訴え始めています。また京王線内での放火死傷事件を模倣し、ついに熊本でも先月、八代へ向かう新幹線内で起こってしまいました。両容疑者が「死刑になりたかった」「死にたかった」など供述していることから、何らかの理由で自暴自棄な状況に身を置く人の割合が増えてきているのではと危惧せざるを得ません。規制や防犯強化の面だけでない、根本的対策が必要かと思います。
さてそんな中、夢屋のメンバーはコロナ感染や大きな災害被害もなく、一年を過ごせましたことは喜びにたえません。また10月には波野小中学校区の人権集会の講師として招かれ(様子は5Pに裕子さんが書いています)、児童生徒、職員の皆さんに日頃の活動の様子をお伝え出来たことも大きな収穫でした。事前に田邊校長先生がご挨拶に来られ強調されたのは「地域で活動されている夢屋さんだからこそ来てほしい」とのことでした。本当にありがたいお言葉です。感想は次号に載せさせて頂く予定ですが、これまでメンバーの顔は見たことがあったけど、どんな人か知らず、会えて話が聞けて勉強になってうれしかったなど率直に書いてくれている人も多く、身近な「地域」での日常の中でのつながりがいかに大切かを改めて教えて頂きました。
それでは10月から12月までの行事(予定を含む)をご報告いたします。
10/16 波野小中学校区人権集会に講師としてメンバー・スタッフ7名で出席。
10/16、17 熊本YWCAの皆さんが森の家「野菜ty(のなてぃー)」ご利用。
10/23北九州から就労継続支援所の皆さんが森の家「野菜ty(のなてぃー)」ご利用。
10/29~31、11/5~7 長崎から森の家「野菜ty(のなてぃー)」ご利用。
11/19、27副代表竹原、代表宮本の誕生日をメンバーらが祝福。
12/22 忘年会を兼ねた昼食会をオルモ・コッピアさんで開く。
12/28 今年最後のパン作りで、仕事納め。
9月28日に熊本YMCA福祉会理事会に出席してきました。テーマの一つとして少子化があげられ、今後の方針が真剣に論議されました。結局、いきつくところ人を引き寄せる魅力ある場所づくりを目指し日々努力する以外なく、それは阿蘇市全体も同様かと思われます。思い起こせば夢屋にも、これまで市外や県外から阿蘇市移住の相談に来られ、空き家など回ったことも何度かありました。しかし最終的には人間個々の付き合いでしょうし、地域力は一人一人の魅力から生まれるものと思います。私個人としては政府が農林漁業をもっと重視し、食料自給率を高める政策をとってもらえれば地域雇用も生まれますし、生活安定により移住者も増えると考えます。夢屋は、今後も「地域」の福祉の場として地道にやっていければと思っております。皆様のご健康とご多幸をお祈りするとともに、来年もどうかよろしくお願い申し上げます。
〇『大変だった予防接種』      中島 地利世(チトセ)
ここ最近は、県内のコロナ感染者が連日0人というニュースが続き、嬉しい反面、今から冬にかけては乾燥しやすい季節でもあり、風邪も含めてさらに予防に心がけていきたいと思っている今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。そんな中、やはり、なんと言っても今年、周囲で一番 話題になったのはこの「ワクチン接種」ではないでしょうか。
私自身、「接種券」(クーポン券)が届き、8月16日と3週間後の9月6日に行って来ました。年齢優先順で、母の分が一番先に届いていたのですが、主治医の先生と相談し、持病のパーキンソン病の症状の一つ、「嚥下障害」がある事で、「最悪、副作用で呼吸困難に陥る可能性もある」という説明を受け不安になり、もう少し世間の状況を見てからにしようと家族で話し合っていました。ですが、「もし接種せずコロナに感染してしまった場合、さらに危険な状況も予想しないと」とも言われ、予約への踏ん切りがついたのは、ようやく9月に入ってからでづ。既に優先枠ではなくなっているので、決心したからとすぐに予約が取れるはずもなく、どうにか予約できたのは、一か月後の10月4日と3週間後の10月25日でした。
10月4日(一回目)当日、体調も普通で会場に着き、順番が回って来ると、接種前の診察を担当されている先生がいらっしゃったのですが、そこに母の主治医の先生もわざわざ待っていて下さり、これまでの容態を事細かく担当の先生に説明し、とても安心しました。
接種を終えた後、30分間 様子をみるため案内された待機室は、先に終えた方達が3人休憩されていて、できるだけ静かに席につきました。
そこで、ちょっとしたハプニングが起こってしまいました。
母は、毎日、多種類の薬を9回に分け服薬しています。決められた時間から一時間前位になると、症状が出始め苦しくなります。たまに叫んだり、うめき声をあげることもあります。「30分の間、何事もないように…」と願っていましたが、ついに発作が出てしまい、その日にかぎって、かなり大きいうめき声もだし、凄くつらそうでした。会場にいた方は、「大丈丈夫ですか?」「もう、副作用ですか!?」とかなり心配され、次々と集まって来られる方たちに状況を説明しお詫びしていたら、安心して戻っていかれました。受付の方が、別の部屋に案内して下さり、母だけそこで休ませてもらいました。その後、無事、帰宅して、一回目の時は、腕が痛いくらいで済みましたが、問題は二回目です。その日は、接種後の待機室でも発作はなく、わりと落ち着いていたのですが、夜から少しずつ高熱が出て、39度まで上がってしまいました。二日目まで自宅で安静にしていましたが、三日目も下がらず、でも市販の解熱剤は怖いので主治医の先生に相談し、点滴してもらいました。おかげで熱も少しずつ下がって来、元気に笑っていたので、ホッとしました。ワクチン接種したからと絶対安心ではないので、引き続き、感染予防に気をつけたいと思います。
皆さまも、年末年始の人混みは避けて、少しでも幸せ多い、お正月になりますよう、心から願っております。今年も一年間、本当に、ありがとうございました。
〇7/26に行われた阿蘇市学校人権・同和教育部会課題別研修会での感想から一部を載せさせていただきます。お忙しい中、参加下さったすべての皆様、本当にありがとうございました。
●メンバーの方が話して下さった通りすがりの小学生が逃げた話や地域を歩くとき変に思われないためご家族の方がかばんやリュックなどを持たせられた話を聞き、自分の暮らす街でそんな不安を感じねばならぬ現実、背後にある差別を絶対になくさなければならないと思いました。
●多様性が尊重される社会で、夢屋さんの取組みは社会全体のモデルケースになると思います。
●ちとせさんの振り返りに「まず信じてみる」とありましたが、相手を知り、コミュニケーションをとることが差別をなくす第一歩かなと思いました。
●山内さんの夢屋に来始められてからの変化が一番感銘を受けた。最初は上手く交わることができなかったけど、ゆっくり確実に変わっていき周りもその変化を見ているということが。
●「夢屋」の開所があったからこそ出会えた方々がおられ、小中学校との交流やパン作り・販売を通してお互いを知り、かけがえのない存在になっていかれたことが素晴らしいと思います。
●メンバーの方のお話で、最近通りすがりの小学生が挨拶してくれたり、お客さんに声をかけてもらうことが多くなり、自分の雰囲気が変わったというところが印象に残りました。
●盲導犬と過ごされているメンバーの方の言葉から、まだまだ側溝などバリアフリーの点で改善が必要な点があることが再認識できました。
●メンバーさんの振り返りの中で、夢屋で活動することで「地域の空気が変わった」「自信がついた」。夢屋と出会い「つながりと世界が広がった」などの言葉が強く印象に残りました。
●夢屋さんのお一人お一人が自信をもって話される姿に夢屋さんの存在の大きさを感じました。
●夢屋さんは私にとってかけがえのない存在です。いつも美味しいパンを作って下さり、毎週幸せです。ありがとうございます。
●30年前、宮本先生が宮地小におられたと思います。その後夢屋を開かれたと聞き、驚いていました。今日、改めて話を聞き、障がいを持った方々の居場所づくりをずっとされてきたことを知りました。自分を振り返る時間になりました。ありがとうございました。
●忙しさや仕事に追われ子どもとの対話を聞いているようで聞いていなかったり、聞いてる
フリをして生返事を返したりして、つながっているようで関係が切れている自分がいましたが、今回の研修会で、これまで忘れていた人の温かさとつながりを再認識させられました。
●宮本さんの言葉にもありましたが、「知る」ということ、「本当のことを知る」ということ。「相手の思いを知る」ということの大切さを改めて感じました。
●私自身、阿蘇市の小学校出身で夢屋のメンバーやスタッフの方々と交流させていただいた経験があり、「〝知ること〟が共生につながる」という言葉の意味が実感としてよくわかりました。
●山内裕子さんの文章の言葉にとても力があると思いました。なぜだろうかと自分なりに考えてみると、とても自分を見つめているからだろうと感じました。毎日、自分を振り返り、反省したり、自信をつけたりしてるんだろうなと思いました。
●共生社会には、お互い知り合うことが大切だと思っています。そのことは普段の学校生活でも感じます。夢屋の皆さんは周りの人のことをよく見て知っているなと感じました。
〇夢屋では日中の保養活動の場として「野菜ty(のなてぃー)」を運営しています。この一年ほどの利用者の方々からの感想の一部を載せさせて頂きます。皆様、ありがとうございました。
●とっても楽しかったです。お花もとっても気持ちよさそうで、とってもきれいでした。
バーベキューとっても楽しかったです。また野菜tyを利用したいと思いました。
●いつ来ても楽しい時間を過ごせます。クワガタを一匹つかまえました。自然の中にいるとゆったりします。夜は満天の星でした。スタッフの皆さんにも久しぶりにお会いでき、元気なお姿を拝見できて良かったです。オルモ・コッピアにもまた伺います。
●娘と一緒にピアノの連弾をしました。ゆっくりできる野菜tyに、また伺います。素敵な時間をありがとうございました。
●昨日から12名で利用させていただきました。今回は電気をつかわない生活体験ということで、照明はつかわない、スマホも使わないというルールの中で、生活してみました。
いつもより寝る時間が早いにもかかわらず、全員ぐっすり眠りました。光の刺激がなかったからかなあと話をしていました。朝は、野菜tyの周りを散歩したり、ヨガをしたりして過ごしました。日常から解放されてゆっくりとした時間を過ごし、リフレッシュできました。
●とにかく辿り着きました。頭も身体も機能も止めている。これでいい。止められるものは止めた方がいい。止められないものはそのまま動かしておけばいい。意図を捨てよう。まずはそれだけ機能させておこうと思う。
●初めて来させていただきました。もう感動しきりです!! 試合で疲れた体もここに来たことで本当に癒されて、ぜひまた来たいと思いました。いつかこんなところで過ごしてみたいと思っていた僕のイメージにピッタリ過ぎて、そこも驚きでした。
●野菜tyに来ると、なぜか色々な物を見てとてもいい気分になります。朝から自然のたくさんのパワーが入った気持ちいい涼しい風が吹いてきて、とってもいい時間が過ぎていきました。

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