「共」に「生」きる。 in 阿蘇

いよいよ最後の選挙から障がい者との「共生」の世界へ その1~

大学5年の初夏、ついにと言おうか、懲りずにと言おうか、またまた自治会選挙に出ます。

これまで4度出ての敗北から、自治会活動に「選挙」というものを通じ、当落の形でしか関与できないことへの疑問が積み重なっていました。そもそも「選挙」とは何か。僕は僕なりに答えが欲しかったのだと思います。

選挙後援会名を『掟めくり』としました。

これは当時同居(今で言うルームシェアリング)していた、インド帰りの友人と一緒に考えました。

その頃、巷ではプロレスブーム。古舘伊知郎の実況が盛り上げていました。中でも長州力と藤波辰巳のライバル対決は見もので、藤波が時に長州の得意技であるサソリ固めを反対にかけたりすると、『ついに出た! 暗黙の掟を破り、相手の最も得意技で精神的揺さぶりをかける掟破りのサソリ固めだ!』てな調子で絶叫してたのです。

そこで考えました。

「破る」ってちょっと強いけど「めくる」くらいならいいかも。それなら学生の感覚にフィットするんじゃないかなと。

すべてはこれまでの「選挙」の概念をひっくり返したい思いがありました。堅苦しいメッセージやスローガン、政策の総論各論なしです。まず最初に出す出馬声明の挨拶文も、以下のようなものになりました。

〇選挙のお嫌いな方へ。『掟めくり』から、時節の挨拶、申し上げます。

文学部の学生の皆様。皆様のほとんどが、早くとも遅くとも4年以内におめでたくご卒業になられる方だと思います。つまり4年以内にご就職される方がほんとんどだということになりますか…。

あらためて、ここで皆さま方にご説明するまでもなく、この大学には毎年6月と11月になると<選挙>という、代々聞き伝えられてきた古くからの風習がございます。この選挙、ご卒業のための通過儀礼とでも申しましょうか。今のところ、別段、大した意味などなさそうで、どうもこれから一年の皆様の幸せを祈願する祝祭のようなものでございます。

そこで、何とぞお気持ちよく御進級なさりたい方、御気持ちよく御卒業なさりたい方、御気持ちよく御就職なさりたい方、はては、御気持ちよく御祝言をお迎えになりたい方は『掟めくり』にでも票をまるめてお入れ下されば幸いかと存じます。とくに、選挙のことが今だによくわからないとおっしゃられる方は『掟めくり』にお入れ下されば、後々のトラブル、支障のご心配は無用です。

『掟めくり』は、いまだによく選挙のことがわからない方、自治会のことがわからない方、はては<選挙>というものに、もうこれ以上付き合ってはいられないというお方が心行くまで投票用紙に〇(マル)とつけて頂くためにもうけさせていただいた4年に1度、あるかないかの貴重な貴重な特別欄です。

どうかご存分に、じかに御手にとってお確かめください。

※なお、今回『掟めくり』は、前自治会執行部が加盟継続をうたっている大学の全国組織とはまったくの無関係でございます。したがって、まちがっても自治会費の値上げはいたさぬ所存でございます。なにとぞそこのところはお間違いのないよう、ご了承下さいますよう、よろしくお願い申し上げます。ハイッ。

既に留年し(笑)、それまで一緒に活動してきた商学部や外国学部の自治会メンバーもほぼ卒業してしまい、周囲は自分より若い人たちになっていました。政治離れは当時から進んできており、現在の国政や地方議会の投票率の低さを僕はさほど驚きません。なぜなら時代は、禍福を糾える縄のごとく行ったり来たりしつつも徐々に確実に、現在の方向へやってきていたと思うばかりです。ただ「無関心」という一語だけではどうしても整理できない何かはあるはずで、前述したように自治会側も「選挙」絶対主義というとらえ方から変わっていく必要があるとも思っていました。それで、これまで自治会活動と縁もゆかりもない学生に声をかけ、誰だってやっちゃっていいんだという「立候補体験」みたいな感覚で出てもらいました。(夢屋代表 宮本誠一)~いよいよ最後の選挙から障がい者との「共生」の世界へ その1~

大学5年の初夏、ついにと言おうか、懲りずにと言おうか、またまた自治会選挙に出ます。
これまで4度出ての敗北から、自治会活動に「選挙」というものを通じ、当落の形でしか関与できないことへの疑問が積み重なっていました。そもそも「選挙」とは何か。僕は僕なりに答えが欲しかったのだと思います。
選挙後援会名を『掟めくり』としました。
これは当時同居(今で言うルームシェアリング)していた、インド帰りの友人と一緒に考えました。
その頃、巷ではプロレスブーム。古舘伊知郎の実況が盛り上げていました。中でも長州力と藤波辰巳のライバル対決は見もので、藤波が時に長州の得意技であるサソリ固めを反対にかけたりすると、『ついに出た! 暗黙の掟を破り、相手の最も得意技で精神的揺さぶりをかける掟破りのサソリ固めだ!』てな調子で絶叫してたのです。
そこで考えました。
「破る」ってちょっと強いけど「めくる」くらいならいいかも。それなら学生の感覚にフィットするんじゃないかなと。
すべてはこれまでの「選挙」の概念をひっくり返したい思いがありました。堅苦しいメッセージやスローガン、政策の総論各論なしです。まず最初に出す出馬声明の挨拶文も、以下のようなものになりました。

〇選挙のお嫌いな方へ。『掟めくり』から、時節の挨拶、申し上げます。

文学部の学生の皆様。皆様のほとんどが、早くとも遅くとも4年以内におめでたくご卒業になられる方だと思います。つまり4年以内にご就職される方がほんとんどだということになりますか…。
あらためて、ここで皆さま方にご説明するまでもなく、この大学には毎年6月と11月になると<選挙>という、代々聞き伝えられてきた古くからの風習がございます。この選挙、ご卒業のための通過儀礼とでも申しましょうか。今のところ、別段、大した意味などなさそうで、どうもこれから一年の皆様の幸せを祈願する祝祭のようなものでございます。
そこで、何とぞお気持ちよく御進級なさりたい方、御気持ちよく御卒業なさりたい方、御気持ちよく御就職なさりたい方、はては、御気持ちよく御祝言をお迎えになりたい方は『掟めくり』にでも票をまるめてお入れ下されば幸いかと存じます。とくに、選挙のことが今だによくわからないとおっしゃられる方は『掟めくり』にお入れ下されば、後々のトラブル、支障のご心配は無用です。
『掟めくり』は、いまだによく選挙のことがわからない方、自治会のことがわからない方、はては<選挙>というものに、もうこれ以上付き合ってはいられないというお方が心行くまで投票用紙に〇(マル)とつけて頂くためにもうけさせていただいた4年に1度、あるかないかの貴重な貴重な特別欄です。
どうかご存分に、じかに御手にとってお確かめください。
※なお、今回『掟めくり』は、前自治会執行部が加盟継続をうたっている大学の全国組織とはまったくの無関係でございます。したがって、まちがっても自治会費の値上げはいたさぬ所存でございます。なにとぞそこのところはお間違いのないよう、ご了承下さいますよう、よろしくお願い申し上げます。ハイッ。

既に留年し(笑)、それまで一緒に活動してきた商学部や外国学部の自治会メンバーもほぼ卒業してしまい、周囲は自分より若い人たちになっていました。政治離れは当時から進んできており、現在の国政や地方議会の投票率の低さを僕はさほど驚きません。なぜなら時代は、禍福を糾える縄のごとく行ったり来たりしつつも徐々に確実に、現在の方向へやってきていたと思うばかりです。ただ「無関心」という一語だけではどうしても整理できない何かはあるはずで、前述したように自治会側も「選挙」絶対主義というとらえ方から変わっていく必要があるとも思っていました。それで、これまで自治会活動と縁もゆかりもない学生に声をかけ、誰だってやっちゃっていいんだという「立候補体験」みたいな感覚で出てもらいました。(夢屋代表 宮本誠一)

コメントはまだありません

TrackBack URL

Leave a comment