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「入院児童生徒等への教育支援」について、私なりに考えたこと。

「入院児童生徒等への教育支援」について私なりに考えたこと。
「夢屋」代表 宮本 誠一
『入院児童生徒等への教育支援の一層の充実の要望書』を先日、阿蘇市教育委員会と県の阿蘇教育事務所へお出ししたことを投稿させて頂きました。
「入院児童生徒等への教育支援」とは、一体どういうことなのか。
私自身、今回、取り組んでみて見えてきたことを参考までに書かせていただこうと思います。(一般的なことはネットで検索していただければ、たくさんの事例がのっております)
まず、どのような教育的事象もそうですが、大前提として、ひとり一人の状況や実態に応じ教育的ニーズは異なりますし、それに応じたきめ細かな取り組みが必要ということです。
その上で最も感じたこと、それは「入院児童生徒」という名称から受ける、児童生徒の属性への偏ったイメージです。
おそらくは「入院」→「病院」であり、その病院に併設もしくは所在する地域の学校への「転学」ということが多くを締めようかと思います。
つまり「教育支援の充実」も転校先での、あるいは病院内での取り組みが対象であろうかと思われます。
しかし実際は、平成24年7月の中央教育審議会初等中等教育分科会がまとめた「共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進(報告)」においても示されているように、入院児童生徒等に対して(前)在籍校は、病院や特別支援学校、教育委員会などと連携し合い、「切れ目のない教育」を行うようされています。
児童生徒本人も、そして保護者も「入院」の先は治療後に「退院」し、元の学校へ、自宅へ、地域へ戻りたいし、戻ってきてほしいのです。
入院治療のために一時的に転校したからと言って、(前)在籍校とのつながりは切れるわけではなく、あくまでも「入院」→「退院」→「復籍」という過程の中でとらえつづける必要があり、学校側は常に保護者や入院中の本人とつながりつづけることが重要なテーマとなってきます。
「学校基本統計」(文部科学省/平成25年5月1日時点の全小・中学校数に占める取り組みの割合)によれば、以下の6項目が、入院により一時転学等をしている児童生徒に対する学校の取り組みとして挙げられています。
①実態把握をする。
②退院後に円滑に学校生活に戻れるよう、他の児童生徒に病気の理解啓発等を行う。
③一時転学時もロッカーや机を残すなど戻ってき来やすい環境配慮に努める。
④一時転学時も心理的な不安などの相談支援を行う。
⑤一時転学先学校と連携し、交流及び共同学習を行う。
⑥退院後、自宅療養が必要となった場合にも学習指導等を行う。
各地方自治の教育行政関係者、そして現場の先生方の日々のご努力には頭の下がる思いなのですが、これらを踏まえた上で、入院児童生徒の一層の理解と支援のため、まずはこの項目を一つずつ確実に、保護者と心を通わせながら、ともに力をあわせ進めて頂きたい。それが今回、私なりに勉強させていただき、たどりついた内容です。
右田洋一郎

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