「共」に「生」きる。 in 阿蘇

『夢屋だより』年末号(123号)2020.12.8発行からの文章です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『夢屋だより』年末号(123号)2020.12.8発行からの文章です。
 
〇令和2年もいろいろありました。夢屋より年末のご挨拶をさせていただきます。            
 
令和2年 11/27 夢屋代表 宮本 誠一
今年は新型コロナウイルス感染に始まり、球磨川や杖立川の氾濫による水害という厳しい現実と向き合いつつ、JR豊肥線復旧につづき、国道57号線や二重の峠トンネル開通など震災以来念願だった交通網がついに復活する大きな一年だったように思います。さっそく国道とトンネルを利用してみました。どちらも快適で、不自由を経験したからこその喜びがありました。国道の方は立野峡谷に慰霊碑が立ち、土砂崩れで亡くなられた学生の方のことも刻んであり手を合わせてきました。震災に限らず、災害で犠牲になられた方々のことを忘れず防災に努めていかねばと思う次第です。
また、私事で恐縮ですが、この秋、大学時代の恩師が、来年迎える私の還暦祝いに訪ねてきて下さいました。今からさかのぼること41年前の1979年、それまで就学「猶予」や「免除」の名の元、義務教育を受けることができなかった障がい児が養護学校(現在の支援学校)の義務化により入学が可能となります。ただ、一方では普通学級から障がい児を切り離す動きも見え始めます。そんな環境が大きく変わる中、先生は幼児教育に携わる一方、委託を受けた在宅訪問指導員として家庭訪問を繰り返し、本人や親の思いを聞き取りながら、地域社会の中で健常児との交流を主とした月一回の例会を行うボランティア組織「障がい児の遊びを考える会(通称『遊びの会』)」を1981年に設立されます。私は、先に会に参加していた友人に誘われ、卒業までの2年間ともに活動し、ご指導していただきました。
先生の言葉で印象に残っていることがあります。障害児・者の参加が増える中、ある家族からもし事故があったとき誰がどう責任を取るかの問い合わせがあり、先生は迷わず、「私はかりに裁判になっても無償で汗を流してくれているボランティアの側に立ちます。もしそのことがご不満、ご心配なら参加されなくて結構です」とキッパリ答えられたのです。一ボランティアだった私にはその言葉はありがたく、重くズシンと響き、むしろ事故がないよう万全を期さねばと気持ちを引き締めたことを覚えています。また、組織代表の態度として、自分は常にどちら側にいるかをきっちり示しておくことは、どっちつかずの口先だけの「責任」より、よほど大事なことだと学ばさせてもらい、現在の「夢屋」運営にも生かさせていただいています。
それでは10月から12月までの行事日程(予定を含む)をご報告させていただきます。
10/15阿蘇市へUターン思案中のご家族の相談を受け、阿蘇水基屋敷代表木下英夫さんを伺う。
10/27阿蘇圏域地域生活支援拠点等整備事業のブロック会議に宮本参加。
10/28白水小学校人権作文(生活綴り方)研修会・実践編に竹原が講師として招かれる。
11/18農園の玉ねぎ植えをメンバー・スタッフ全員で行う。
12/  「夢屋」の外壁塗装を行う。(ユーティーユー工房の波佐間さんに協力していただく)
12/25「夢屋」仕事納め。(仕事初めは、1月5日を予定)
振り返りますと、学習塾講師から大検(高卒認定)専門予備校職員、小学校の臨時採用から正式採用、そして夢屋と何らかの形で児童、生徒、学生とかかわってきた期間は早くも35年となりました。その礎には、前述しましたボランティア組織「遊びの会」の精神があったように思えます。障がい者、健常者分け隔てなく、思いっきり、一人の「人間」として付き合う。ただそれだけのシンプルな目標を目指し、これからもメンバーやスタッフ、そして地域の皆様方と一緒に手をつなぎ合い、やって行けたらと思っています。どうか、年男となります来年も「夢屋」をよろしくお願いいたします。
 
〇『コロナで始まり、コロナで終える2020年……』
中島 地利世(チトセ)
 
2020年を振り返ってみると、今年は「コロナ…コロナ…」と長引いた自粛期間のおかげで、毎年、初夏くらいになると楽しみにしていた博多一人旅ができず、それどころか、県内でもどこかに出かけたりなど…一切無く、あっという間に終わりそうです。(>_<) 
自粛期間中は、「夢屋」に行ったり、買い物する以外ほとんど家にいて、韓国の男性アイドルの動画ばかり観て、癒やされていました。(笑)
故郷が対馬なだけに、どこか慣れ親しんだ韓国の雰囲気に惹かれるものがあるのかな~とも感じました。もちろん、何かと対策を考えたりと、一番 大変だったのは「コロナ」ですが、それだけではなく「豪雨災害」「大型台風」「芸能界の相次ぐ自死」「県内で連続して発生した不審者被害」など…キリがないくらい、嫌なことばかり起こっています。私自身、幸いなことにコロナ被害はないですが、耳に感じた初めての異変がありました。前号のお便りでも書きましたが、今年の夏は異常な暑さで、毎日 疲れが取れず、最初は「ただの夏バテか、軽い熱中症かな~?」くらいに考えていました。その日は、それがピークのように特に怠さが酷い日でした。
配達先へ向かう階段を上っている時、いつもと違う息苦しさを感じる程で、やっとの思いで到着し、お客様と会話している時、突然、まるで寿命がきた蛍光灯が切れる瞬間のように、スーッと耳が全く聞こえなくなりました。当然、目の前にいるお客様は、そんなことが起こっているなんて気付かれるわけもなく、話を続けられていて、私にはただ口をパクパク動かされている姿に見ることしかできませんでした。幸いその時、もう一人いたのは裕子さんで、話の流れはわかっていて、その後お客様が急用ですぐに走り去って行かれ、特にご迷惑かけることなく終えることができました。何度も深呼吸をしながら帰りの階段を下りていると、突然またスーッと聞こえるようになり、心底ホッとしました。地域の病院の先生に相談したら、「それは、念の為、またMRIを撮ってもらった方が良いのでは?!」と、アドバイスして下さいました。
「今後、もしいろいろ迷惑かける前に…」と、さっそく宮本さんに事情を話し、休みをいただいて、10年振りに、MRIを撮りに行って来ました。結果、「今のとこ、特にこれまでと変化なし」でした。ではなぜ、全く聞こえなくなったのか、診察してくれた先生が言われるには、「疲れや睡眠不足…色々あるでしょうが、一つの原因として…マスクの圧迫による呼吸方法も考えられます」とのこと。今年に入って耳鼻科に受診される方が増えたらしく、風邪で鼻がつまった時のように、口でばかり呼吸をするので、喉などにも何かしら異変を感じる人が増えたらしいです。自分の場合を思い返すと、階段を上がる時に踏ん張る為、鼻息どころか、暫く口からの息も止めてしまっていました。(汗)それで、抜け場を迷った酸素が、一時的に軽い窒息症状を耳に起こしたのではないか…ということでした。私はただでさえ鼻が弱いほうで、深呼吸!そんな当たり前の大切さを痛感したので、今後は出来るだけ人通りの多い道を避け、大きく呼吸しながら行動しようと思いました。(苦笑)
来年は、コロナが今の状況より終息に向かっていることを願って…皆様が少しでも心から笑える年を迎えられますように…心からお祈りしております。 
 
〇夢屋のお客様は皆さん、いつも配達のたびにあたたかな言葉をかけたり、紙にメッセージを書いてくださったり、ありがたいばかりです。今回は、そんな中のお一人、裕子さんや博康さんの元小学校の担任をされていた児玉美紀先生の『夢屋だより』への感想のお手紙をご紹介します。
 
●『夢屋だより・春号』ありがとうございました。
おたよりで、みなさんのことをいろいろ知ることができ、(やっていることや思っていること、頑張っている様子、お家でのことなど)より一層身近な存在に感じられ、うれしくなりました。
博康さん。先輩の皆さんに囲まれてほんとうにいいスタートがきれてるなあと心からうれしく思っています。「楽しい夢屋」でふっくら、まあるくておいし~~いパンがつくれるように少しずつ少しずつがんばれ!!
裕子さんも6年目になるのですねー。パンのこと、いろいろ研究しているようで、だんだんベテラン的な存在に近づいてきたかな。いつも配達ありがとうございます。これからもおいし~いパンと元気な笑顔を届けてくれるのを楽しみに待っています。
美早さんがつくった歌はいつ聞いても楽しくなりますね、体全体でリズムをとりながら生き生きと歌ってくれる姿がとてもいい! 詩がほほえましいし、聞いてるまわりの人たちを〝夢屋ワールド〟に引き込んでくれてますね。後輩も増えて、パン作りなど、いろいろ頼られることも多いと思いますが、よろしくお願いします。
それから地利世さんは2人姉妹かと思っていたんですが、お兄さんもおられるのですね。まだお会いしたことはないお兄さんですが、あなたのつづりからお仕事に真剣に向き合っておられる方だなあと感じました。ご家族の方だけでなく、まわりの方々に対してもあたたかい地利世さん、私も見習わなければ!
夢屋さんではこうきさんの元気な声が聞けるのも楽しみのひとつです。直接の担任ではなかったけど、ほとんど一緒に活動して少しずつ成長する様子も見てきたので、成人したこうきさんに会えるのはとてもしあわせなことです。仲間の皆から見守られ、特等席でみなさんの存在を感じながら心地よく一日一日を過ごしているのでしょうね。
私も、あまり頼りにならないかもしれませんが、これからも皆さんの「応援団」のつもりでいますので、いつでも気軽に声をかけて下さいね。
 
●『夢屋だより(仲秋号』ありがとうございました。今回はどんなことが書いてあるのだろうと楽しみにしていました。
夢屋のみなさんが暑さを乗り切るために一人一人知恵をしぼったり、努力したりしながら頑張って過ごしたのだなということがわかり、『なるほど』と思ったり、『そうか』と感心したりしながら楽しく読ませていただきました。
地利世さんのほっかむりや保冷剤マスクなど、必死にやっている本人さんには申し訳ないけど想像してホッコリしてしまいました。また、日陰の涼しさなどいつもは意識していないのに、ほんとに自然の力はすごいですよね!!(次ページへつづく)
美早さんは水分補給や汗の始末など、ふだんからよく気をつけているなあと感心しました。また、届けたパンの置き場所など、美早さんでないと気づかない大切なことなのですね。アイスのことやこまめな洗顔、寝るときの様子など裕子さんらしいなと思いました。でも氷をつくるなど家でやっていることがだんだん増えてきているようですね。
博康さんのふき出る汗にも負けず、パンの生地をいっしょうけんめいのばす姿を思い浮かべとてもうれしく思いました。
つづりを読んで、みなさんの様子や新しい一面を知ることができて良かったです。
どんなときもみんなでいっしょに作ってくれるパン。ここにおいしさのヒミツがあるのでしょうね!! いつもごくろう様です。
 
卒業後もあたたかく見守ってくださっている児玉先生。パンの配達にうかがうといつも笑顔で声をかけ、励まして下さいます。先生も書いておられますが、卒業後のメンバー(教え子)の日々の成長を間近で感じれることも、ともに地域に暮らし活動しているからこそかなと、これからもこのつながりを大事にしていきたいと思っている次第です。先生、本当にありがとうございます。そしてどうかこれからも、よろしくお願いします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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