「共」に「生」きる。 in 阿蘇

盲導犬と共に生きて・パート1~デイビーからウルマへ~ 下村津代子

<最初の盲導犬、デイビーとは何年ごいっしょだったのでしょうか>
平成15年か平成20年の6年間です。
<とくに印象に残っている思い出は何ですか?>
とにかく私にとって初めての盲導犬でしたから、カワイイ!! の一言でした。最初はふつうのペットとは違い、「冷静」に仕事一筋かな、と思ってたら、家にいるときもピッタリと、いつでも付いて寄り添ってくれることに感動しました。
ただ、少し不安も出てきました。犬は人と同じで性格や相性も違います。訓練センターでいろいろ勉強はしていましたが、いざ自分が盲導犬を連れ自宅から出て行くのは初めてです。
たとえば、私は駅までは地図がだいたい頭の中に入ってますが、デイビーには入っていません。少しずつ体験を積ませ、道を曲がるタイミングなど覚えこませていかなければならないことに責任も感じました。
最初、宮地駅に行って戻ってきたときはホッとして、こんなに大変かなあと思いました。
<別れるときは、どんなお気持ちでしたか>
自分の子どもと別れるような気持ちです。ほんとうにつらかったです。福岡までいくときに涙がとまりませんでした。
デイビーはそんな私を気づかい寄ってくるんです。
別れることなんか何にも知りませんから。最後は、帰りたそうにしているデイビーに、とにかくできるだけ長生きしてねって声をかけてあげました。
<また新たに、次の盲導犬にチャレンジしようと思われたのはなぜですか?>
デイビーといっしょに歩いていて、自分の生活の中に、盲導犬がいないことが考えられなくなっていたんです。いて当たり前という感じですね。それで、まだ自分の体力があるうちはやってみようかと。
<ウルマと出会われて、どんな印象を持たれましたか>
まず、デイビーはブラック、それに雄ですから体も大きかったです。
ウルマはホワイトで雌、手で触ると毛並み、顔形も違います。体が小さいなあというのが一番、感じたことですね。
また性格もちがいますから、当然歩き方も微妙に違います。指示する位置とタイミングなど、少しずつつかんでいるところです。
それから、最初はとてもおてんばで、この頃ようやくおっとりしてきました。(笑)
<最後に、地域を歩いてみられて、どんな感想をお持ちですか>
道路事情があまりよくありませんね。歩道も、ポールが置いてあったり、凹凸が多かったり、電柱が出っ張ってたりで、一人では歩けません。
ヘルパーさんに頼んで、熊本市内まで遠出させてもらっていて、ウルマと一緒に歩くとやっぱり歩きやすいです。ただ、一人で買い物にいけるようになったことは大きいです。盲導犬を通じて他のお客さんとのコミュニケーションも生まれますし。
それでも、私としてはせっかくの盲導犬をもっともっと生かしたいんです。堂々と阿蘇市を歩きたいし、いろんな所へもウルマと一緒に出掛けたいです。
信号等も含め、できるところからでいいですので改善の方をどうかよろしくお願いします。

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