「共」に「生」きる。 in 阿蘇

『夢屋夢屋だより~夏号(121号)』7/30発行からの文章です。

夢屋より夏のご挨拶と、この度の豪雨災害のお見舞いを申し上げさせていただきます。
 
2020.7.16作業所「夢屋」代表 宮本誠一
ここ最近、梅雨期にスマホで雨雲の動きを見るのが習慣になっていたところ、人吉、球磨など県南部を中心に驚く速さで線状降水帯が発生し、またも豪雨による甚大な被害がもたらされてしまいました。改めまして被災された皆様へお悔みとお見舞いを申し上げたいと思います。
現在のところ降水帯の発生を予測する方法はないとのことですが、発生の4つの条件として「雲の元となる暖かく湿った空気の流入」「その空気が山や冷たい前線とぶつかるなどして上昇」「積乱雲を生みやすい不安定な大気状況」「積乱雲を流しては生む一定方向の風」があげられているらしく、暖かい空気の過剰な誕生を考えれば、やはり海水面の温度上昇をもたらす地球温暖化が何らかの影響を与えていることは間違いないのではないでしょうか。
そんな中、いよいよその温暖化に対処すべく、CO2やプラスチックごみを少しでも減らす一環としてレジ袋の有料化が始まりました。これは実質的な面以上に、まずはこれまでのライフスタイルを見直し、意識を変えていく試みとしての意義の方が大きいのではないかと思います。夢屋のメンバーも活動中、買い物へ行くときはエコバックを持って出かけています。ただ、それとは別の問題でスーパーではレジが自動支払機になり、人が介在しなくなったぶん本人だけではなかなか難しく、これからAIによる無人化がいろんな分野で進む中、障がい者や高齢者にとっても優しく住みやすい方向へと行ってくれることを願うばかりです。
それでは6月から8月までの行事日程(予定も含む)をご報告させていただきます。
 
6/5 阿蘇小3年生が「まちのたんけん」で訪ねてくる。
6/19 人権作文集『かけはし』編集会議(一の宮小)に竹原が講師として招かれる。
 7/15 南阿蘇村人権作文集『しらかわ』の綴り研修(両併小)に竹原が講師として招かれる。
 7/23~26森の家「野菜ty(のなてぃー)」を長崎、福岡から4名が利用。
7/26池邉美早さんの誕生日。
7/29 阿蘇小人権作文集のつづり研修に竹原が講師として招かれる。
 8/28 山内裕子さんが24歳の誕生日。
 
今回、P7~8に夢屋の25年間の流れを象徴的な出来事や制度と一緒に載せさせて頂きました。こうして改めて見てみますと時代とそのときどきの活動が関連し合っていることがわかります。特に2000年の応能から応益負担への切り替えは介護保険制度から支援費制度、そして自立支援法への流れと符合しており、本来は国の義務として実施すべき福祉事業を社会福祉法人に委託し、その経費を公的資金から措置費として投入していたシステムがいよいよ終わりを迎え、当事者と事業者との契約を基本としたサービスが活性化することとなりました。結果、夢屋へも支援学校からの問い合わせが増え、実習生が多くやってくるようになりました。山内裕子さんや笹木博康さんといった地元の子がつづけてメンバーになったこともそれとつながっています。25年前、障がい者がごく普通に地元の学校へ進み、卒業後も地元での生活が可能となるような場所づくりの必要性を説明していた頃とは隔世の感があります。これからもまたその初心を忘れず、努力していく所存です。どうか夢屋をよろしくお願いいたします。
 
『意外と興味を持って頂いた私に関する質問(笑)』
                            中島 地利世(チトセ)
いつまでも解決するどころか、第2波コロナまで心配される中、とんでもない雨の災害まで…、どうしても2012年の豪雨を思い出してしまいます。今はまだまだ、大変な事が山積みですが、一日でも早く、皆様が一息つける状況になる事を願うばかりです。
さて、前号の「夢屋便り」で兄のお仕事のことをチラッと書きましたが、ありがたいことに読んで下さった方々から、労いや「お兄さん含めて、医療従事者の方々のおかげで安心して過ごせています」など…感謝のお言葉をたくさんかけて頂きました。そのことをすぐ夢屋便りの原稿と一緒に兄に伝えると、凄く喜んでいました。そこで、意外と一番お声かけ(ご質問)が多かったことに、ついでなのでこの場を借りてお答させて頂きます。
それは、「夢屋さんに入所されるキッカケになったと話されていた妹さんと、2人姉妹かと思っていたら、実際のところは、ご兄弟は何人なんですか?」や「一人っ子かと思っていたら、お兄さんもいらっしゃったんですね」などなどの、我が家の人数に関するご質問です。
ご紹介しますと、私を含め4人です。(上から兄、私、妹2人)
具体的に申し上げますと、ページが足りなくなるだろうから省きますが、その一番下の妹が、小学生の頃、『夢屋』とかなり親しい人で、衛藤るみ先生という方の生徒だったご縁で、紹介して頂きました。末妹も今年、早くも20代最後の歳になってしまいました。衛藤先生だけじゃなく、地域の先生方の中には、未だに「だいぶ大人の雰囲気になったでしょうね…」や「元気ですか? 会いたいな…」とお話するたびに気遣って下さる方もいらっしゃいます。本当にありがたいかぎりです。
最後になりますが、「夢屋」は今年25周年(26年目に入る)をついに迎えることとなりました。
「私は25歳の時、どんなだったかな~」と振り返ると、それこそ一番!大事な出会い、そうそれは「夢屋」と知り合えた年です。そこから、17周年がすぎ、今18年目に入ったということは…はい、さり気なく自分で年齢を暴露してしまいました。(笑) (-_-;) シワや白髪も出てくるはず。 ついでに暴露すると、私が入所した年の「夢屋」の代表と同じ年齢にならせていただきました。
そんな月日のわりには、まだまだ、勉強不足で未熟な面がある私ですが、まだまだ学びたいことはたくさんあります。
☆これからも地域の皆様に見守って頂きながら、一生懸命、努力していきたいと思います。
その為には、代表の宮本さんと副代表の竹原さんにずっと元気で現役でいてもらわないと!ですね♪ 
せめて、まずは「夢屋」開所30周年☆を目標にして頂き、メンバー皆で、微力ながら支えて行きたいと思います。
これから、夏本番に向け暑さがさらに例年以上に厳しくなるのか、このままの不安な天候が続くのか分かりませんが、どうか、皆様ご健康でお過ごし下さい。m(_ _)m
 
夢屋の25年の歩み
平成7年(1995)阪神淡路大震災.地下鉄サリン。アゼリア21がオープン。
●4月宮本が小学校教員退職後、「夢屋」開所へ改装を始め、7月にパンづくりと販売開始。
平成8年(1996)「ライ予防法」廃止。
●4月小規模作業所「夢屋」として正式に開所し、福祉課や振興局の職員の皆様をご招待。
平成9年(1997)障害者雇用促進法改正(知的障がい者の雇用義務付け)
●安田火災記念財団、ヤマト福祉財団、NHK・わかば基金などから助成を受ける。
森の家『野菜ty(ノナティー)』を副代表竹原ナホ子が開設し、県内外の多くの障がい者が利用。
平成10年(1998) NPO法制定(行政によるコーディネートから個人契約へ)
●2月第1回「くまもとやさしいまちづくり賞」受賞。県内に作業所として認知される。
平成11年(1999)労働者派遣法(派遣事業の原則自由)
●5月猛さんの父親が交通事故死。二週間後、下原猛さんが入所施設2階から飛び降り腰椎粉砕折。2ヶ月半後、奇跡的に下肢機能が回復し退院。
平成12年(2000)応能負担から応益負担へ切り替え。
●2月日野正徳さん死去。5月下原猛さんが入所施設内から心不全状態で搬送され死去。 
平成13年(2001) DV防止法。
●4月~11月一の宮町在住のALS難病者の外出支援を毎月一回、一年間行う。
平成14年(2002)『同和対策事業』完全終了
● 1月~12月「夢屋ウィズ・ユー・デイ」を実施し、地域の子どもや保護者が参加。
平成15年(2003)支援費制度(在宅サービス重視、地方自治体移譲、民間介入)
●8月第4回「游人の日」で自立を目指す障害者を描いた記録映画『障害者イズム』上映。
平成16(2004) 発達障害者支援法。
●山田小学校へ、週1回、のべ35時間の総合的学習として授業参画。
平成17年(2005) 自立支援法(1割負担)。
●10月第6回「游人の日」ピアニスト豊田隆博さんのコンサートを「野菜ty」で開催。
平成18年(2006) 特殊学級が「特別支援」学級へ。 
●6月特定非営利活動法人の認可を得、「地域活動支援センターⅢ型」となる。           
平成19年(2007) 消えた「年金問題」発覚。
●7月阿蘇市学校人県・同和教育部会課題別研修会に「夢屋」全員で講師として参加。
平成20年(2008) 「後期高齢者」医療制度。
●5月蔵原(竹原幸範さんから提供)へ移転。市内の小中学校からの体験学習生増える。
平成21年(2009) ハンセン病問題基本法。
●12月中島地利世さんが県ハートウィーク主催「心の輪を広げる体験作文」で優秀賞。
平成22年(2010) 社会保険庁廃止し、日本年金機構構発足
●6月熊本県人教「進路保障研修会」(大津町)にスタッフとメンバーが講師として参加。
平成23年(2011) 東日本大震災。障害者虐待防止法。
●10月中島地利世さんが中通小学校の人権学習の授業に招かれ、児童、職員の皆さんに講話。
平成24年(2012) 障害者総合支援法(自立支援法改正)。
●2月熊本大学大学院教育学研究科修士課程の学生9名と教授1名が学習を兼ねた交流行う。
平成25年(2013) 障害者権利条約を批准。 生活困窮者自立支援法。
●高倉深雪さんの今後を本人、市職員、相談支援センター長、家族、宮本で話し合う。
平成26年(2014) 過労死等防止対策推進法
●9月熊本学園から学生35名が災害要援護者の減災型地域社会リーダー学習のため訪問。
平成27(2015) 介護保険法改正。特老入所条件が「要介護1または2から3以上に」
●4月山内裕子さんが小国支援学校卒業後、メンバーに加わる。
平成28年(2016) 4/14、16に熊本地震。7/26に相模原障害者施設殺傷事件。
●4月地区民生委員でもある竹原ナホ子と連携し、独居高齢者を御一人、車中で一晩保護。メンバー、スタッフとも早急に連絡をとり全員無事を確認する。『夢屋だより』で特集号発行。
平成29年(2017) トランプ大統領就任。小田原ジャンパー事件
●6月韓国京畿道安城市のハンギル学校の職員、関係者(15名)の訪問で親睦深める
平成30年(2018) 行政、省庁の障害者雇用率「水増し」発覚
●1月熊本大学の学生(受講生184人)に「現代教育について考えるB」でゲスト講話。
●2月支援者でありメンバーの竹原幸範さんが百寿で死去。自伝『前向きに阿蘇住まい』残す。
令和元年(2019) ハンセン病家族訴訟で熊本地裁が国の責任認め国も異例として控訴せず。●7月阿蘇市人権・同和教育課題別研修会に「夢屋」全員が講師として招かれる(13年連続)
令和2年(2020)熊本県南を中心に豪雨があり球磨川などが氾濫し、多くの被害が出る。
●4月蔵原在住の笹木博康さんが小国支援学校を卒業後、メンバーに。夢屋25周年迎える。

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