「共」に「生」きる。 in 阿蘇

『べこべこべー』発行者、Aさんから感想をいただきました。

『トライトーン』遅くなりましたが、読みました。「トライトーン」作品としての完成度は高いものに思いました。
登場する人物、また、作者が水平的な位置にいて、どの人たちにも、目配せが効いていて、小説としていい出来だとぼくには思えました。
この作品のなかで特に重要な人物は間違いなく木須でしょう。
彼自身、心のどこかに傷があるのでしょう、その傷はもしかしたら、スメルジャコフとか、『青年の輪』の田口とどこか通じるものがあり、
人が人として存在する根底的なところから発するものがあるのではないでしょうか。
いや、木須だけではなく、エバタ、モンもいい。根源というかラジカルというか、中途半端なところで存在しているのではない人物たち。
いい小説を読めたなと思っています。
「水色の川」釘崎の電話はすこし唐突だなという思いがしました。もっと長く釘崎や里美を描く必要があるように思いました。
「真夜中の列車」京子のことがもっとみたいのだが、木村の視点にこだわりすぎたのかもしれません。カットバックも少し唐突に感じました。
列車に乗り合わせてしまったですか。もっと、即物的に列車とか、駅舎を描いたほうがイメージにのこったようにおもえました。
これからも小説読ませてください。
寒くなります。夢屋のみなさまも体に気をつけてください。ナコさんにもよろしく。
Aより

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