「共」に「生」きる。 in 阿蘇

ミヤモっちゃんの、2010年、最初に読んだ一冊。~『働く幸せ・仕事でいちばん大切なこと』大山泰弘著(WAVE出版)~

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今年は、この本から出発しました。
大山さんは、日本理科学工業というチョーク製造会社をお父さんから引き継ぎ、現在会長をされています。
1960年に近くの養護学校から研修生2名を受け入れ、そのまま採用されて以来、一貫して障害者雇用を進めてこられました。
1975年には、川崎市に日本初の知的障害者多数雇用モデル工場を建設。現在は、なんと、74人の社員のうち53人が知的障害者で、実に障害者雇用率は約7割になります。
製造ラインにはさまざまな工夫が凝らされ、知的障害者のみで稼働できるようになっています。
私は、この本を、「阿蘇きぼうの家」の施設長湯浅さんよりプレゼントしていただき、読まさせていただきました。
なるほど、作業所をやってきて共感するところが多く、いろいろ考えさせられました。
また、うかつにも知らなかったのですが、昨年業界売上N.O1で、「ひとり勝ち」ばかりクローズアップされていたユニクロが、実は、障害者雇用の面でも熱心に取り組んでいて、雇用率は8%、5000人以上の企業ではずばぬけているという事実です。
(現在、国の定めた民間企業(従業員56人以上)の障害者の法定雇用率は1.8%で、それに達してる企業は全体の43.8%、平均雇用率は1.55%にすぎません・2007・6月1日)
ユニクロの経営母体であるファーストリテイリング会長の柳井正さんは、
「障害者と一緒に働くことで、彼らが苦手とする作業をフォローしたり、できる仕事をもっと上達させてあげようと、他のスタッフたちが協力しあうようになった(中略)その気持ちが従業員同士、さらにお客様に対してもむけられるようになり、結局は売上アップにもつながった」(NHK知る楽 仕事のすすめ 09年6.7月)と述べているとのことです。
確かに、すべてが「労働」から得られるのか? と問えば、やや傾きすぎていると思える点もあるのですが、「私が私であるという自意識」と充足感は、労働=生産のプロセスへ身を投じることによって達成されるし、また、反対に「どうも今の私は私らしくない」という<疎外>感も、ある歴史的必然性(階級性が解決されてない段階)では起こりうるとしたマルクス主義を、むしろ正面から逆手にとり、根気強い実践を通して、それじゃあ、<社会から個人が疎外されない労働>とは何なのかを考えていこうよ、と、「概念」も含め、根本から問い直しているようにも思えました。
湯浅さん、面白い本を、たいへんありがとうございました。

2 Comments

  1. あけましておめでとうございます。昨年は文化祭に参加頂きありがとうございました。今年も機会があればぜひ阿蘇高校の生徒と交流をよろしくお願いします。
    働く幸せを読まれたのですね。僕も昨年秋に読みました。その後、大山さんの講演会にも伺い、感激しました。また、大山さんの50年間の歩みを描いたテレビ番組のDVDを阿蘇高校の生徒に見せまくっています。あのような方がおられるのは私達にとって嬉しい限りだし、希望を与えてくださいます。近いうちに日本理化学工業の見学に行きたいと思っています。
    では、またパンを買いにお邪魔しますね。皆様今年も元気でご活躍ください。

    コメント by 吉田祐一 — 2010年1月5日 @ 9:16 PM

  2. このたびは、ブログにて大山泰弘さんの『働く幸せ』を取り上げてくださいまして、
    まことにありがとうございました。
    「働く幸せ公式ブログ」(http://ameblo.jp/hatarakushiawase/)にて、
    リンクを貼らせていただくともに、
    お礼の文面を掲載させていただきました。
    ご覧いただけますと幸いです。
    これからも、応援していただけるような出版活動に全力で取り組んでまいります。
    今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

    コメント by 『働く幸せ』公式ブログ — 2010年1月7日 @ 11:52 AM

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