「共」に「生」きる。 in 阿蘇

コウキが初めて涙を流しんたんです。

今朝、いつものとおりコウキさんを迎えに行くと、お母さんが開口一番、うれしそうに、そうおっしゃいました。
「朝からおしっこをもらしてしまったから、私、バタバタしてたこともあってちょっとしかったんです。そうしてコウキの顔を見たら」
と両手でご自身の頬をなでられ、
「涙がたくさん出てるんですよ」
「今まで、そういうことはなかったんですか」
私が聞くと、
「ええ、涙を流したことはなかったんです。『ああー』、とか『うーっ』とかさけんだり、自分で頭をたたくことはありましたけど」
「最近は、ようやく夢屋にもなれてきたっていうか、安心し始めた感じがしてましたしね」
「顔を見て、あら、コウキ、あなた泣いてるのって……」
お母さんの方こそ、瞳をうるませながら話されました。
少しずつ、夢屋のメンバーとも垣根がとれ、声をあげて笑ったり、机の上のノートとかを興味ありげに立ち上がってはつかむようになってきたコウキさん。
この涙は、16年間のいろんな体験の積み重ねでこぼれた、宝石のような滴だったにちがいありません。
厳寒の阿蘇の朝、白い息の混ざり合う中で、お母さんから聞いたホッとな話題でした。

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