「共」に「生」きる。 in 阿蘇

2009・「夏の夢屋だより」・代表の挨拶です。

皆様のお力で、15年目の夏もどうにか越せそうです。ありがとうございます。
地域活動支援センター「夢屋」代表 宮本誠一
今夏は長梅雨で日照時間が短く、作物などに影響しているようですが、皆様におかれましては体調も含めおかわりありませんでしょうか。
さて、夢屋のメンバーもおかげさまで蔵原にきて、1年と5か月が過ぎようとしております。
これまで大きな事故もなくやれたことは地域の方たち、お客様、行政関係者の皆様のご理解、ご支援のおかげと感謝しております。
そんな中で春からのことを振り返るに、4月、小嶋康揮さんの入所は大きな出来事でした。
中学を卒業したばかりの若い世代が入ったことで活気づき、その後、五か月、周囲のベテランメンバーがあれこれかかわる姿は、夢屋のつながりを一層強めてくれているように思えます。
康揮さんも得意の声やポーズで答えてくれ、にぎやかな笑い声は周囲に行くと耳に聞こえてき、和やかな雰囲気を伝えてくれます。
また7月には、熊本大学教育学部特別支援教育学科の大学院生の方たちに、「夢屋」の活動やこれまでの歩みをメンバー自らが語ってきました。
これには当日講義へ向け予備授業や資料の読み込みなど着々と準備をすすめられた古田弘子准教授のお力あってのものだと思います。そして、そのきっかけをつくったのが拙著『トライトーン』であったことは喜びにたえません。
学生の皆さん一人一人から読後の感想までいただき、地道な取り組みがこのような形で実を成しことに大きな感動を持ちました。
8月には阿蘇市学校人権・同和教育部会課題別研修会の講師を務め(既に3回目)、地域の先生方にメンバーの生の声を届けられたことは大きな成果だったと思います。
依頼文は代表の私宛でくるのですが、「夢屋」は設立以来、このような機会にはできるだけスタッフ、メンバー全員で参加することを心掛けてきました。
それは、「小規模作業所」を出発の原点とし、誰一人欠くことのできない存在として、これまでの15年間を全員の力で乗り切ってきた信念によるものです。
また最近は、一の宮町方面で長年ご愛顧いただいているお客様に加え、内牧方面も、阿蘇地域振興局の福祉課の皆さんやギャラリーGENさん(夢屋の特製パンでハンバーガーをつくっておられます)や松谷文華堂さん(カナッぺを常時買っていただき、『トライトーン』やパンを店内で紹介していただいています)、内牧小学校職員の方たちなど新しいつながりができました。
「お、今日はかわいい服着とるね」
「はい、松谷さんとデートしたいから」(笑)
そういった些細な会話がどれだけ励ましてくれるかわかりません。本当に有難いかぎりです。
これからも「夢屋」は福祉は町づくり、文化づくりの基本のもと、微力ではありますがパンを掛け橋に人と人の真心をつなげていけたらと思っております。
最後になりますが8月23日は、「夢屋」を一緒に開所した故下原猛さんの誕生日です。
生きていれば34歳になります。
過ぎ去っていく夏の日差しや蝉の声を聞きながら、再度彼の生前に思いを馳せ、初心忘るるべからずの精神でやっていこうと思います。

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