「共」に「生」きる。 in 阿蘇

最近読んだこの一冊。

「震災列島」石黒耀著。(講談社)
舞台は名古屋。
あるボーリング(地質調査)屋を営む家族たちが主人公です。しかし、これはその背後に東海地震の到来と、かつ、震災で荒廃した都市への遷都構想に絡み、「都市移転法」と「都市再生法」を軸に復興資金二千億円の利権を狙う建築会社と暴力団の癒着が描かれています。それに立ち向かうのが、町内会長であったばかりに彼らと敵対することになり、孫を凌辱されたうえ自殺に追い込まれてしまうボーリング業の祖父と娘の父親。さらに影で蠢く刑事まで加わった、一大スぺクタルなのです。
2004年に出版されたもので、既に多くの方が読まれていると思いますが、まさしく最近起きた静岡・駿河湾の地震と重なり、浜岡原発の内部構造や、東海地震のメカニズムから実際に地震が起きたときどうなるか、その迫真迫る描写は息をのむほどです。
作者は勤務医をされていて、阪神淡路大震災に遭遇したのが小説を書く契機になったと、表紙裏には書かれてあります
私はこれを、いつもパンを買っていただいている松谷文華堂の店主、亮さんからお借りしたのですが、およそ500ページを一気に読ませていただきました。
松谷さんとは、お会いするたびに、これからの阿蘇のこと、内牧の変遷と将来など、含蓄に満ちたお考えを拝聴することが多く、配達に行ったミユさん、チーさん、コウキさんとも気さくに話をしていただき、つながっていただいていることに、いつも感謝しているところです。
皆さんも、もしお時間、ご興味ありましたら、この本はお勧めです。
図書館にもあると思いますので、読んでみてください。

コメントはまだありません

TrackBack URL

Leave a comment