「共」に「生」きる。 in 阿蘇

新年、あけましておめでとうございます。2009年も夢屋をよろしくお願いします。 「夢屋」代表 宮本 誠一

年始のお参りで、阿蘇市黒川の踊山神社へメンバーといっしょに行ってきました。
「肥後国誌」「阿蘇郡誌」によれば、別名「八大龍王社」と呼ばれ、かつて社前には大水源があり、水田二百町歩を潤していたそうです。
水不足の年は、笹をもって社前で踊るといたるところから水が湧いたことから、この名がついたようです。
実際、「夢屋」の長老、竹原幸範さんにお聞きしたところ、その水の勢いたるもの凄まじく、夏場、若者が流れに逆らいどれくらい泳げるか競っていたそうですが、相当の泳ぎ自慢の人さえ前へは進まず観念したそうです。その湧水も昭和30年頃から行われだしたボーリングによって水は涸れ、辛うじてしめ縄と紙幣(かみしで)で囲まれた跡地の窪みにその面影を見るのみです。
かつて自然と一体となった営みを想像しただけで、胸が「踊る」ようで、豊かな自然に囲まれ暮らす喜びを感じると同時に、どんな豊穣に見える自然もけして「無限」ではないという教訓を教えてくれます。               
そんな中、世界に目を転ずれば、イスラエルによるパレスチナ自治区のガザ空爆は、年の瀬から新年にかけての空気を揺るがす大きな出来事でした。既に地上戦へと広がった戦場では小学校も砲撃され、多くの子どもや民間人が犠牲になっています。
「報復」という名の「暴力」の連鎖が、「自然」だけでなく、「平和」の「永遠性」をも無残に打ち砕く現実に、暗澹とした気持ちになってきます。 
ただ、国内では、懸念された仕事や住まいを失くした多くの非正規労働者の方たちを、自治体が臨時職員として採用する動きが広がっています。
また、環境相が、米国のオバマ次期大統領の提唱する「グリーン・ニューディール(緑の内需)」政策の日本版として、地球温暖化対策への投資を広げ新たに100万人規模の雇用を創り出す構想策定に乗り出す考えを明らかにしたことは、わずかな希望につながるものです。
今後は、森林や自然エネルギー、水資源などを所管する他省庁の意見を踏まえ、国民から広くアイデアを募るそうですが、ぜひ、絵に描いた餅に終わることなく、かつての境内のように、軽やかな瀬音が戻ってくるよう願いたいです。
さて、夢屋も早いもので蔵原に移転して八カ月が過ぎ、徐々に地域の方たちとも顔なじみになり、メンバーが材料などの買い物の行き帰りに「がんばりよるね」など声をかけてくださることも増えました。
これもひとえに、日々、パンの購入や様々な場所で見守り応援してくださる方たちの力あってのことですし、その輪が広がっているのだと思い、感謝している次第です。
常に初心を忘れることなく、メンバーだけでなく地域の方たちからも「夢屋があってよかったね」と言っていただけるような運営を心掛けていきたいと思っております。
最後に私事ですが、今年は丑年、年男です。牛に囲まれたこの大自然の阿蘇で、年を迎えられることを大変うれしく思いますし、昨年痛めた腰に気をつけ、健康に留意し、やっていこうと思っているところです。
どうか皆様におかれましても、くれぐれもお体に気をつけられ、「地域の夢屋」として、日々の生活の一コマをご一緒させていただければ、ありがたいかぎりです。本年もどうかよろしくお願いいたします。

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