「共」に「生」きる。 in 阿蘇

2014『夢屋だより』冬号の文章からご紹介します。

今年も大変お世話になりました。2015年もどうかよろしくお願いいたします。
                                作業所「夢屋」代表 宮本誠一
毎年、この季節になると一年が過ぎる早さに驚くばかりですが、皆様、お変わりありませんでしたでしょうか。夢屋のメンバー、スタッフはお陰様で、大きな事故もなく無事に過ごすことができました。これもひとえに日頃よりパン購入を通じて見守り、声をかけて下さるお客様や作業所運営にご理解とご支援下さる地域、行政関係の方々のお力の賜物と感謝申し上げる次第です。本当にありがとうございました。さて12/4に市制10周年記念の阿蘇市人権フェスタがあり、講演者は松本サリン事件の第一通報者の河野義行さんでした。河野さんは自宅付近からサリンが発生していることから長野警察の家宅捜索やその後の取り調べを始め、マスコミからも容疑者扱いされ、ご自身だけでなく家族の皆さん全員が「人権」をはなはだしく侵害されるという状況に置かれ、苦しんで来られました。長野県警察本部、国家公安委員長、マスコミ各社が相次ぎ謝罪はしたものの名誉回復の闘いは長く辛く、現在は鹿児島県にお住まいで「報道改革」「犯罪被害者救済の立法化」などを訴え、講演など様々な活動をされています。    
私はふと「風評被害」という言葉を思い出しました。例えば阿蘇山の噴火ですが、確かに危険な範囲は可能な限り常に把握し、関係機関が出した情報等を下に行動しなければなりませんが、もしもマスコミが一斉に表面的な『噴火』という一字ばかり強調したとき、実際にこれから観光に出かけようと思っていた方々の恐怖心だけが煽られる結果となり、足も次第に遠のくのではないかと思います。講演後、阿南教育長が謝辞でもおっしゃったように、マスコミの情報がいつも100%正しいとは限らないという目を持つと同時に自分自身も日頃から感覚や知識を磨きながら、正しく判断する力を身につけておくことが大切な気がした次第です。
それでは11月から来年1月までの行事のご紹介(予定も含む)をさせていただきます。

11/5~28 パン作りの合間にお薬師様の落ち葉掃除を皆でしました。
11/4 宮地小のすみれ組の児童(5名)と職員(2名)がパンづくりを通じた交流学習に来て
くれました。(7ページに学級通信を載せさせていただいています)
11/18~21 小国支援学校から実習生が来ました(1名)。
11/22、23 長崎諫早から『野菜ty』にご宿泊(3名)。
12/4 阿蘇市人権フェスタが開催され、メンバー・スタッフで参加しパンの販売をしました。
12/26 夢屋の今年最後のパンづくりです。
12/27 大掃除後、忘年会をオルモ・コッピアで行います。
1/6 仕事始め。

さて、来年は未(ひつじ)年。羊はいつも群れで行動していますが、組織の中でこそ、むしろ豊かな個性を発揮できるとのこと。それは内面に、周囲に容易に流されない強い精神と忍耐力を持っている証拠でもあるようです。夢屋もぜひこの未にちなみ、チームワークを大事にしながら、よりフレンドリーな職場を作っていけたらと思っているところです。どうかそんな夢屋を来年もよろしくお願いいたします。そして皆様のなお一層のご健康とご多幸を祈りし、今年最後の挨拶文とさせていただきたいと思います。

『初めての避難所体験』        
                             ‡中島 地利世‡
「自分の干支の年だ~」と喜んでいた年明けから早くも一年が経ち、振り返ってみるとセウォル号沈没事故、エボラ出血熱、広島の地震、御嶽山の噴火、連続での台風…など今年は嫌なニュースばかりが続き、かなりの死者数がでてしまう最悪な一年でした。
年初めの【夢屋便り】で「午年は活気あふれる最盛の年」と期待を胸にして書いただけに読み返していると空しい気持ちになってしまいました。
その中でも特に他人事ではなかったのが、九州にも上陸した「台風19号」です。
パソコンで台風情報をチェックしていた宮本さんに「瞬間最大風速85メートルだって!!」と聞いて、私の家は丈夫ではないので「これはやばい…」「かなりやばい!」と思って、母と一緒に「阿蘇市役所」の隣にある一の宮保健センターに避難させてもらいました。
10月11日の午後3時に、防災放送で「避難施設を開設いたしました」と放送されたらすぐに行って、建物の中に入るとまだ誰も来てなくて、たくさんの毛布の入った箱やマットを阿蘇市の職員さん達がバタバタと運んで下さっていました。
母と「早く来すぎてちょっと気まずいね」と話していたら、受付の職員さんが笑顔で出迎えて下さり、連絡先などの手続きの後、血圧測定までして部屋に案内して下さいました。
ちなみにその部屋は、8月に【夢屋】のみんなで参加した「阿蘇市学校人権・同和教育部会」で使った部屋でした。その時は、まさかこの部屋に泊まる日がくるとは思いもしなかったので、「本当にこの先、何があるかわからないな~」と思いました。
荷物を置いて、私が「毛布とか運ぶのを手伝いましょうか?」と聞くと「いえ、とんでもない!ゆっくり寛いどって下さい。」と言って下さり、部屋を出ていかれました。
しばらくすると、顔なじみの女性職員の方が来られて「カメラ入るけど良い?」と気遣ってくれたり、毛布を多めにくれたり「食べて来た?」とご飯の心配までしてくれました。
他にも、よくみると普段から優しく接してくれる職員さん達が何人か待機して下さっていたので、とても安心して心強い気持ちになれました。
夜になり、佐藤市長が一部屋ずつわざわざ正座してお辞儀のご挨拶に回って来られました。
体調管理を担当されている方も、1時間置き位に血圧測定機を手に1人1人診て回られていて、夜遅くに避難して来られた方もいたので警備担当の方も常時、動いてチェックして下さっていました。
なかには「それが仕事だから当たり前」と陰でささやいている方もおられましたが、私から見ていると本当に「職員さん達はいつ休まれているのか…」と思う位に気を配って下さいました。
至れり尽くせりのおかげで何も不自由なく過ごせて、帰りは自宅まで送って頂き、家の損傷状態までチェックして下さり、無傷とわかると帰って行かれました。
大変でしたが、緊急事態になると市関係の職員さん達はもちろん、地域の人達がこんなにも助け合って下さるというのを体験して、ふだん当たり前のように何事もなく過ごせているのは、周囲の支えもあってこその日々と、改めて感謝の気持ちが強まる時間でした。
私にとってのこの一年。      
                                下村津代

世の中全体では自然災害や様々な事件があって心の痛むことも多かったかと思いますが、私個人では比較的、静かに過ごせた一年だったかなあと思っています。去年、手根管手術をした両手も、感覚は100%戻ることはないものの普段の生活には何ら支障なく使えるようになったのもホッとしている一つです。ただ、埼玉での盲導犬を傷つける事件が発生した後、少し外出する際に不安な時も増えました。私はいつも足音には気を配り、できるだけすれ違う際には挨拶をするよう心がけています。それはまず第一に相手の年齢や性別だけでなく、今急いでいるのかとゆっくり歩かれているのか、など返ってくる挨拶を聞くことで状況判断をする上での大きな役割をしてくれるからです。もちろん言葉を交わすことでちょっと横へ除けていただけたりもしますし、そのことへの感謝や親しみの表現の意味もあります。でもたまにですが、こちらが挨拶してもまったく返事をされない方や足音も立てず近づく方がいらっしゃり、そんなときは、ふとあの事件が過り、不安になりました。でもほとんどの方が明るく返して下さるので嬉しい限りです。
さてウルマも今年11月で7歳になりました。人間だと50歳くらいになるかと思います。より一層、私との一心同体感も強くなり、頼もしい限りです。そんな中、笑い話ではないですが、ウルマはとても人好きです。ですから八―ネスをつけているときもついつい人に近づいていくときがあります。相手の方が犬好きならいいですが、たまにそうじゃない方もいらっしゃいますので、私は驚かれたときは平謝りするしかありません。私もできるだけ気をつけてはいるのですが……。どうか私とウルマの姿を見かけてウルマが近づいていったといきは、けっして悪気はありませんので、ご理解のほどよろしくお願いします。11月26日・水曜日(くもり/雨)
今日は「雨が降り出すまえに」と、朝からみんなでお薬師堂の落ち葉掃除に行きました。
コウキ君も車で一緒に行って、久々に外の作業を見るのが嬉しいのか?、車が揺れるほど屈伸運動に励み、首をブンブン振りながら「フ~ンフン」とご機嫌♡な声を出していると、通りかかった近所のお婆さんが「あらっ」と笑っておられました。

コウキ&マイ日記
                            by チー
11月5日・水曜日(晴)
今日もマイちゃんがお休みで、コウキ君が寂しがるかな~と思っていましたが、なれたのか?伸び伸びとマイペースに過ごしていました。
お昼ご飯に大好きなみそ汁をたくさん食べて、大満足のコウキ君♪午後からは少し眠くなった様子で、何度も自分の髪をいじって遊んでいました。
今日は、午後から病院に用事があり、お母さんが迎えに来られて帰って行きました。

11月12日・水曜日(雨)
今日は、久し振りにマイちゃんが来てくれて賑やかで、コウキ君も嬉しそうでした。
ソファーが音がする位の運動や首と手を動かしたりして遊んでいました。ちょっとバタバタしていて、ウッカリしているとマイちゃんが「ね~いいよ、いいよっ!」と指をさして言っているので、何の事を言っているのだろと思っていたら自分の仕事(塗り絵)の準備をお願いしているのだとわかり、「マイちゃんやる気満々やね」と褒められると「うん…フッ!」と可愛らしい笑いをもらしていました。そんな2人が大好きなお昼ご飯になると、いつもなら熱いのが苦手なコウキ君は、なかなか食べようとしないのですが、今日は、マイちゃんがいる手前「カッコ良い」とこを見せたかったのか?食べようとして、ビックリしてまた吐きだしてしまいました。逆に「何しょっとかね~」と呆れられ、少々…落ち込んでいました。(苦笑)

11月19日・水曜日(晴)
今週は、小国支援学校からすでに顔馴染みのユウコさんが実習生としてきてくれています。コウキ君にとっては一の宮中時代の後輩でもあり嬉しそうに手を振ったり体を動かしたりして遊んでいました。2人で仲良く写真を撮ってもらい「フフフフッ」と満足そうな声をだして喜んでいるコウキ君に、ユウコさんも「ありがとうございます」と丁寧にお辞儀していました。

コメントはまだありません

TrackBack URL

Leave a comment