「共」に「生」きる。 in 阿蘇

2012・10/16発行『夢屋だより』秋号から

阿蘇を始め豪雨災害被災地の一日も早い復興を心より祈願しております。

夢屋代表 宮本 誠一

あの悪夢のような7月12日から早くも三か月が過ぎようとしていますが、皆様その後いかがお過ごしでしょうか。私は6月末より持病の腰痛が悪化し横たわった状態となり、その間、、メンバー、スタッフがほぼ変わりなく運営を行ってくれ、代表としてこれほど有難く心強いことはありませんでした。また、多くの方々からお見舞いや励ましの言葉をいただき力を得、この場を借り深くお礼申し上げたいと思います。さらにそのような事情で今回の豪雨災害へのお見舞いも申し上げることができませんでした。改めまして遅くなりましたが心からのお見舞いと犠牲になられた尊い御霊へ哀悼の意を表すとともに、一日も早い復興を祈願したいと思います。それでは6月から9月までの夢屋の行事をご報告したいと思います。

6/18、19北九州から就労継続支援事業所『夢屋』一行(9名)が訪問し、野菜tyに宿泊。

6/23 阿蘇市内から夢屋の見学と相談(2名)

7/20 益城町人権教育課題別研究会の協力者として、打ち合わせに出席(竹原)

7/31 益城町人権教育課題別研究会(本大会)に出席(竹原)

8/11 福岡とタイから夢屋見学と野菜tyに宿泊(3名)

8/17 阿蘇市内から夢屋の見学と相談(2名)

8/31 熊本北高等学校の吉田先生が訪問。

9/5 阿蘇市読書感想文コンクール審査委員の委嘱状頂く。(宮本)

9/6 中通小学校でメンバーの下村津代さんが講話。(竹原がサポート)

9/19 YMCAキャンプ場でメンバーの下村津代さんが講話。(竹原がサポート)

9/23 なかよし運動会をメンバーが見学。

9/24 小国養護学校から職場実習の打ち合わせのため職員来訪。

全国で、あるいは世界で様々な自然災害があるたびに「自然の驚異」と「生かされている」ことの有難さをこの欄でも述べさせていただいてきましたが、実際に身近に起こってみるとその現実は凄まじく、ただただ慄くばかりです。まずは「命を守ること」これが一番ではないか、そう思わずにはいられません。尊い犠牲を無駄にしないためにも、今後は住居の立地や森林河川のあり方も含めた安心して暮らせる生活基盤づくりが急務ではないかと思った次第です。さて、夢屋の方は、メンバー、スタッフとも幸いにも大きな被害がなかったことは喜びにたえません。ただ私が腰痛と坐骨神経の痺れに苦しんでいたわけですが、そのとき感じたのは、人体に気温、湿度、そして気圧が大きく影響しているということでした。気圧のわずかな違いで痺れは増したり穏やかにもなりますし、曇りか晴れかで気分もかわり、それが腰の疼きへと影響します。考えてみれば筋肉は常に収縮や膨張を繰り返しており、神経への圧迫も変化するのは当然です。そのような中、「自然に生かされている」と言うのもおこがましく、人体は自然そのものでもっと日頃から自分の体と向き合い会話する必要があるのでは、そう強く思った次第です。50歳にしてこの当たり前なことに気付く未熟な代表ですが、しっかりしたメンバーやスタッフに支えられやってきております。どうかこれからも夢屋をよろしくお願いいたします。

ちょっと耳より・ご紹介コーナー

今回は、宮地駅前で「武双庵」という素敵な名前の不思議な(笑)お店を出しておられる上村さんです。上村米屋さんでお馴染みの方も……

Q:現在のお店を開くきっかけは、いつどんなことだったのでしょう。

A:先代の茂父(しげるちち)が昭和31年から始めまして、私達二人が後を継いでいる状態です。3年前から武双庵(「共にいっしょに歩く」の意)をプラスいたしました。体に良い物で、材料、作り手、すべて顔の見える商品を取り扱いたく、特に子どもさんに本物の味を知って食べていただきたいので、私が美味しく安心と思った物のみ販売いたしております。

Q:お仕事で苦労されている点、またやりがいのある点はどんなことですか。

A:上村さんちは“何屋さん”ですか? と良く聞かれます。店内を見ると、バイク、自転車、雑貨があり、お米、納豆、豆腐、黒豆、ドーナツ、サイダーetc  不思議なお店です(笑)

ゆっくりお話ができるように、テーブルや椅子をご用意しておりますので、趣味や育児のことなどいろいろなことに花が咲くところが楽しいです。

Q:これからの阿蘇市にどんなことを期待されますか。

A:女性が安心して出産、育児のできる社会であってほしいと思います。心豊かな子どもを育むためには、父母の精神状態が一番だと思います。一緒にご飯を食べ、ゆっくりお風呂に入り、読み聞かせをして床に着ける、そんな生活が無理なくできるような環境を阿蘇に要望します。

Q:最後に「夢屋」に一言、お願いいたします。

A:最初に買い始めたころよりパンがふっくらしてとても美味しくなっています。いろんな味を楽しませていただいています。ありがとうございます。もう少し、ゆっくりお話しができると嬉しいです。これからも力を合わせて美味しいパンを届けてください。金曜日を楽しみに待っています。

 

故郷の癒しを求めて                ☆中島 地利世☆

今年の夏は、九州の皆さまにとっても、【夢屋】(特に代表の腰痛)にとっても、災難な出来事があり…、色々と心労の絶えない毎日が続きました。その後も「季節から夏が消えたんじゃ!?」と思う位、夏らしくない肌寒い日々や、雨の日ばかりが続き「また地盤がゆるむ…」と不安を隠せない人もいました。そんな悪天候の影響?で、宮本さんの腰痛はよくなるどころかますますひどくなり…、【夢屋】に遊びに来られたお客さんと、よく「もう、宮本さんはいなくても大丈夫ですね~」と冗談を言っていた天罰かと心配になってきたので、罪滅ぼしもかねて(苦笑)、ついでがあればすぐ、阿蘇神社の「願掛けの石」へ足を運んでみたりしていました。

パン作りのお仕事も少し多くなって、ナコさんが「お昼ご飯作りまで大変だろう…」と、今まで毎週(火)の一品だけだったのが…毎日のようにご馳走アイディアを練ってくれて、本当に有難い反面、「ずーっとこのままなら…」とまた図々しく罰あたりな考えも。(笑) 私は、地域の集まりにもときどき参加する事があるので、疲れがたまってくると体調が悪くなったり、パン作りでも上の空になってしまう時がふえて気持ちがついていかないので、「ストレスをためないためにも…」とネット検索していると、たまたま、8月にBSのTV番組で私の地元「対馬」が紹介されるという情報をみつけて、母と昔話で盛り上がりながら楽しく観ることができました。

当たり前ですが、どの場面も覚えのある場所ばかりで…とても懐かしく潮の香りが恋しくなり、【夢屋】の夏休みには、家族で遠出して八代の海まで行って来ました。到着するなり潮の香りが強くて、目を閉じると対馬にいるような気持ちになれました。残念ながら体調が悪かったので、海に入れない私に見せつけるように隣で「キャーキャー」騒ぎながら泳ぐ嬉しそうな母を見て、羨ましくなり足だけつかってきました。

子供の頃のように何も考えず、日が暮れ始めるまで遊び、手足も潮でベタベタになる頃には心も体も少しは“リフレッシュ”出来て帰って来ました。

【夢屋】の2学期が始まると、ちょっと疲れ気味の人や今まで通りの人…逆に必要以上に元気になっている人…(笑)、変わらずマイペースなメンバーでした。それでも、みんなで「色々、大変だけど…亡くなられた方や、今もまだ大変な思いをされている方のことを考えると、今…生きて普通に生活ができているだけで感謝の気持ちを忘れてはいけないね」とよく話しながら、宮本さんの負担を減らそうとメンバーがそれぞれ出来る事で協力し合い、今まで以上に団結力(絆)が深まった?ように感じられる数カ月でした。

盲導犬のストレスと平均寿命について

前号で、盲導犬と一般の飼い犬とのストレスと平均寿命の違いについての記事を書かせていただきましたが、盲導犬協会の方からご指摘があり、ネットのウィキペディアにもほぼ同じ主旨の内容が掲載されていましたので抜粋し、お詫びと訂正にかえさせて頂きたいと思います。

「『盲導犬は忠実に働かされるストレスために短命である』という俗説が存在するが、これは誤りである。全国盲導犬施設連合会が2006年7月24日付の毎日新聞にて発表したところによると、盲導犬の平均寿命について初の全国調査をした結果、約13歳という結果が出た。これは平均的なペット犬の寿命よりも1歳ほど長い。調査は全国にある独立した9盲導犬施設のうち、8施設を対象に、盲導犬413頭の平均寿命を算出したもの。一方、飼い犬は東京農工大大学院の林谷秀樹助教授らが3,239頭を調べたもので、平均寿命は11.9歳であった。盲導犬は仕事の性質上、ペット犬よりも健康管理に気を配られていることが理由と推測されている。また、『仕事をそもそもストレスと感じない性格の犬を選んで育成している』と回答する団体がある」

とのことです。皆様のご理解のほどをよろしくお願いいたします。

すばらしい青年との出会い     佐藤清子

昨年まで一時間、なんなく歩けたのに、今年の夏ごろからはたと歩けなくなった。先日は、ちょうどちとせさんと会った時、今にも倒れそうになって、パッとちとせさんの方に倒れこみ、あわや倒れる寸前で助けてもらった。しかも彼女はその後も、私が心配で家まで後ろをついてきてくれてたそうで、後からその話を宮本さんから聞いて、ほんとうにありがたいなあと感激もひとしおだった。

とにかく阿蘇市になってから車が多くなったように思う。スピードも出している車も多く、歩きにくくなった。そんな中、こんなことがあった。

私が疲れて、田んぼのあぜに腰かけて足を放りだして休んでいると、ちょうどそこにオートバイが止まった。二十代後半くらいの青年がおりてきて、私に「起き上がれますか?」といきなり尋ねてきた。「いいえだめです」私が答えると、背中から手でかかえあげ、「大丈夫ですよ。イチ、ニ、のサン」の掛け声で持ち上げてくれた。「立てたじゃないですか。じゃあ今度は、一歩歩いてみましょう……、ほら歩けるじゃないですか」私も「ホントだ。がんばります」と返事し、歩き出した。青年はバイクのハンドルを握って、そんな私をじっと見ていてくれていた。実を言うと私は、その青年が近づいてきた時、もしかするとバックの財布を取られるんじゃないかと疑っていた。それで緊張して体を固くしていたのだ。歩きながらもとても悪いことをしたなあとに帰ってから悔やんでいた。

 

 

 

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