「共」に「生」きる。 in 阿蘇

『夢屋だより』新年号より。代表の挨拶です。

遅れましたが、新年、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。                 
                    「夢屋」代表 宮本 誠一
新年になり、早くも一月が過ぎようとしていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。12月16日には、「游人の日」で大変、お世話になりました。30人ほどの参加があり、中村さんの福祉現場での貴重な体験のお話に、皆さん感じ入っておられました。さて、今回ですが、前号に一年間の実績をまとめたところ、夢屋のやっていること(内容)がよくわかったという声が多く、あらためて事実をお知らせする大切さを考えさせられました。そこでこの場をかり、「游人の日」の歴史を振り返らせていただきたいと思います。
○2000年・8/16 第一回『游人の日』
下原猛さんの自宅(夢屋二階)にて。約30人参加。
2/1に日野正徳さん、5/16に下原猛さんが亡くなったことから、二人を供養するだけでなく、障害者本人やかかわる人たちが集い、「共生」の意味を考える機会にしようという思いで始めました。そもそも「游人の日」の由来は、知的障害者が総じて幼いとき、水遊びが好きであることから発想しました。日野さん、猛さんも海やプール、温泉が好きで、そんな彼らとかかわるとき、健常者と障害者が「舟」と「乗る人」ではなく、「水」と、それに「浸り、戯れる人」の関係だったら……という考えによります。あくまでも障害者が主体性を発揮しつつ、健常者はそれをサポートする柔らかな水の役割を果たしたい、そんな思いでサンズイヘンにこだわったのです。もちろん「阿蘇」を掛けたのは言うまでもありません。
それでも、当時、名前を何にしようか考えたようで、ノートを見ると、「夢」「猛」「日」または「野」を組み合わせ、「野猛日(飲もうデー)」にしたり、猛さんの誕生日の夏を強調し「夏光日」ではどうかと、あれこれ思案した跡があります。当日は、「游人」の「游」の字を染めた手縫いのコースターをつくり、みなさんにお配りし、故人を偲びました。
○2001年・8/4 第二回『游人の日』
西区公民館にて。熊大講師宮部さんの講演とメンバー全員によるミニコンサート。
設立七年目を迎えた記念もかね、会終了後は手作りのアイスを差し上げました。翌日の熊日新聞には、「夢屋裏の公民館であったイベントには近所の知人や熊本市内の作業所などから約40人が参加」とあります。
○2002年・8/24 第三回『游人の日』
芥川賞候補作家・故福島次郎(熊本市在住)さんを迎え、「福島次郎・自分を語る」と題して講演していただきました。『詩のボクシング』全国大会出場者、矢羽田司さんも参加し、即興の詩の朗読があるなど、盛り上がりました。
○2003年・8/23 第四回『游人の日』
自立を目指す障害者を描いた記録映画『障害者イズム』の県内初の上映会を、アゼリア横の旧一の宮町交流促進センターで開きました。約60人参加。予め新聞記事になったこともあり、遠くは人吉から来られたか方もありました。8/19付けの熊日新聞には、「多くの障害者は視野をふさがれ、自分の人生に疑問を持たず生きている。うちの利用者も全員が自分の意思で通いはじめたわけではないが、ここに通い地域で暮らすことで、自由を望む気持ちが呼び覚まされた。この映画を通して障害者にも多様な人生があることを知ってほしい」という主催者代表としての私の言葉が載っています。
○2004年・10/2 第五回『游人の日』
免田栄さん講演会を旧阿蘇町コミュニティーセンターで開きました。参加約40人。西日本新聞には、「初心にかえって、あらためて差別や偏見について考えたい」という私のコメントが載っています。この回からメンバーがより主体的につくり上げる会を目指し、歌や手話を取り入れた出し物を用意するようになりました。また、『游人バンド』も結成され、ワンコイン(500円)の参加費もいただくようになりました。
○2005年・10/30 第六回『游人の日』
ジャズピアニスト豊田隆博さんのコンサートを、高齢者・障害者宿泊所『野菜ty』で行いました。
参加者、約30名。暖炉の火が燃える中、素敵な音楽の調べにしばし酔いしれました。
○2006年・4/24 NPO立ち上げ企画・記念コンサート。
人権バンドIcCAK(イッカク)のコンサートを『野菜ty』で開催し、この年、「游人の日」は行いませんでした。参加約20名
○2007年・12/16 第七回『游人の日』
熊本ふくし生協理事長中村倭文夫さんの講演会。
参加、約30人。メンバーによる司会進行は、場内から大受けで、笑いとほのぼのした雰囲気をつくりだしました。また、各自の日ごろの日記を題材につくったオリジナル曲の演奏や歌もあり、好評でした。
こうして、早いもので『游人の日』も七回を重ね、徐々に定着してきており、「今年は、いつあるんですか」と声をかけられたりすることも増えました。マンネリに陥らず、より新鮮で充実したものを心がけていきたいと思っています。
2008年も、みんなで力を合わせやっていきます。どうか、ご支援のほど、お願いいたします。

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