「共」に「生」きる。 in 阿蘇

ちょっと遅くなりましたが、『夢屋だより』新年号(2/23発行)からの文章です。

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2016年も、どうかよろしくお願いいたします。
夢屋代表 宮本誠一

2016年も早くも2か月が過ぎようとしていますが、皆様、お変わりありませんでしょうか。こちら夢屋は長老の竹原幸範さんを始め、スタッフやメンバーに風邪をこじらせるものが数人出て心配しましたが、何とか回復し、ほっとしているところです。さてそんな中、行事表にもあるように、2月に山田小と阿蘇西小から3回に渡り総合的学習に来ていただき、児童の皆さんと楽しく交流できたことは、夢屋のメンバーたちにとっても素晴らしい体験になりました。また今号の記事にもありますが、メンバーの下村津代さんが宮地小学校で講話され、視覚障がい者として盲導犬ウルマと過ごされている普段の生活や点字ブロックの必要性についてお話され、とても有意義な時間を持つことができたと大変喜んでおられました。やはり何事も当事者の生の声を聞くことは勉強になりますし、少しずつこのような輪が広がり、障がい者と健常者との垣根がとれいていくことを願うばかりです。
それでは2月から4月までの行事をご報告(予定も含む)させていただきます。

2/1 山田小学校5年生(職員を入れて11名)が体験学習。
2/8山田小3.4年生(職員を入れて14名)が体験学習。
2/12中島地利世さんの誕生日を皆でお祝いしました。
2/15阿蘇西小学校4年生(19名)が体験学習。
3/5 くまもと障害者労働センターおれんじ村30周年セレモニーに参加。
3/23 山田小から卒業お祝いケーキのご注文(40個)。
4/1 夢屋、オープン21周年。

上記にもありますように夢屋もついに21周年(「労働センター」とはちょうど10年違いで始めました)となり、4月からは22年目へと入っていきます。開所以来パンを買い続けて下さっているお客様もいらっしゃり、本当に感謝にたえません。心より深くお礼申し上げます。
メンバーでは一番新しい昨年4月に入所した山内裕子さんも早くも丸1年を迎えようとしています。今でも思い出すのが、初めて工賃を手渡したとき急に泣き出したことです。訳を聞くと工賃をもらったこと以上に「夢屋に来れて本当によかった。どこも行く場所がないと思っていたから」と言います。それまでいくつかの場所へ研修や面接へ行き、なかなか現実的に無理だということで保護者とも話し合い、やってきた裕子さんが、今号では「今までの自分がわがままだったことに気づいた」とまで書いてくれています。4月から数か月、こちらも基本的なことを根気強く言い続ける毎日でしたが、特に年が明け、本人の自覚と努力も実り、共同で働く上でのルールやマナーを少しずつ学びながら、日々の行動や言葉づかいに変化が現れてきている点はとても素晴らしいことだと思います。これは、夢屋だけでやれることではなく、日々、配達の先々でご丁寧に声をかけて下さるお客様や地域の皆様のお力にもよるものだと、重ね重ね感謝申し上げる次第です。
これからもそんなメンバーたちと一緒に、お客様、地域、行政関係の皆様のお力とご鞭撻を糧に、精一杯、活動をやらせていただく所存です。どうか夢屋をよろしくお願いいたします。

一生懸命聞いてくださった宮地小の皆さん        下村津代

昨年の12月10日に、宮地小学校の二年生の皆さんの前で、『点字ブロック』についてお話をする機会がありました。その日はあいにくの雨で、私もウルマも濡れないように合羽をきて、迎えに来てくださった衛藤先生の車に乗り込みました。部屋は三階の音楽室のようでした。まず教室に入った瞬間、皆さんから注がれている熱い視線を感じ、こちらも緊張しました。最初に自己紹介したのですが、私が住んでいる地区を言うと同じ地区の子たちからワッとうれしそうな歓声が上がり、とても親しみを持ちました。数日後、感想文を読ませてもらい、事前に点字ブロックについて実物を見たり、かなり勉強されていたようで、実際に私の話を聞くことでさらにその大切さが伝わってきたと書いてあり、行って話してよかったなあと思いました。ただ、一つだけこの場を借りて補わせていただきたいのは、私が盲導犬の貸与を受けようと福岡の訓練センターに行った17年ほど前は、白杖歩行などいくつかの厳しいテストがあり大変でしたが、今は面接だけになっています。もちろん貸与の必要が認められてから多少の盲導犬との共同の訓練はありますが、それはハーネス操作や盲導犬への指示の出し方、歩行の仕方、犬の世話や管理の仕方を始め盲導犬を使用する上でのマナーや基礎的知識についての講義で、かなり緩やかになっています。もし盲導犬が必要で、興味のある方は、気軽に相談してほしいと思います。

『お正月の出来事』     中島 地利世
2016年が明けて、早くも1カ月が過ぎましたが、今年も最初のお便りは、
お正月の出来事からお話したいと思います。
今年は、私の地元「対馬」から、伯母夫婦とその息子(従兄)が3人で遊びに
来てくれました。久し振りに会うので、楽しみな反面、緊張感もありました。
伯母夫婦は2人供、持病がありだいぶ体力が衰えてきているので「元気な内に…」と、
以前から来てみたかったらしいですが、私は「大丈夫かな…」と、とても心配でした。
無事、阿蘇に到着したのは午後2時過ぎだったので、まずはみんなで滝室坂にある
「よかよか亭」で遅めの昼食をとり、その日は、観光せず家で寛いでもらいました。
伯母がわざわざ持ってきてくれた、思い出の品々(祖母の写真や送りあっていた手紙等)
を見ながら、懐かしい思い出の話しで盛り上がりました。
夜になっても楽しい会話は尽きず、鍋を食べ、お酒を飲みながら、従兄の携帯でTⅤ電話を使い留守番している他の親戚とも話せて、その日は遅い時間まで盛り上がりました。
次の日「せっかく温泉街に来たのだから…」とみんなで黒川温泉まで行きました。
場所は伯母の希望で、以前、母が勤めていた「ふもと旅館」に決めました。
そこまでは良かったのですが、駐車場からその旅館に行くまでには途中で急な坂道があり、肺が弱い伯父に歩いてもらうのはとても酷なので、別の道がないか走って探してみました。幸い、すぐ反対側にゆるい道があり、伯父にはそっちに回ってもらい一緒に行きました。
旅館につくと、また難題…玄関から大浴場に行くまでには、まず急斜面な階段…。
伯父の手をひいてゆっくり下りると、薄暗いうえに厚く氷結している渡り廊下を見て、
大きく溜息をついて諦めかけたのが可哀想で、予備に持ってきていたバスタオルを敷きつめてカーペット変わりにすると、他のお客さん達も困っていたので、「良かったらどうぞ」と声をかけてみたら、皆さんとても喜んで、お礼を言いながら通ってくれました。
「チトセがいつも一緒に付いてくれて、一つ先の事を予想した、安全な判断が介護さんのようで心強かった…おかげで、3日間とても楽しめたよ」と最後の夜に、伯母さん達が言ってくれて、これも全ては、日頃「夢屋」でメンバーのお世話の手伝いや、色々な活動を通じて身に着いた力だと思い、当たり前のような日常で忘れがちになりますが、改めて
「大事な事を経験させてもらっているのだ」と感謝の気持ちを痛感しました。
最後に今年の目標は、毎回、同じ事を言っているような気がするわりには、実行できていないので、「もう決めるな」と家族にも言われてしまいましたが…(笑)やはり健康第一!
今年こそ、もう少し体の事を考えて体力づくり(ダイエット)にも励みたいと思います。
いつも「【夢屋】さんがあって良かった」とご声援を下さる皆様に感謝の気持ちを忘れず、
今年も、みんなと一緒に、とにかく明るい【夢屋】で頑張っていきます。

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