「共」に「生」きる。 in 阿蘇

『夢屋だより』新年号より

2014年もどうかよろしくお願いいたします。
「夢屋」代表   宮本誠一

年が明け、早くも2か月が過ぎようとしていますが、皆様、お変わりありませんでしょうか。今年の寒さは中々に厳しく、朝夕の冷えも格別で、体調管理も難しかったようです。そんな中、夢屋のメンバーは配達の先々で、温かなお言葉を戴きながら元気に日々の活動をさせていただいてきました。この場を借り、心よりお礼申し上げる次第です。
さて、パンづくりをやっていて、冬、一番苦労するのは発酵です。発酵は発酵器の中だけで行われるのではなく、生地にイーストを混ぜ水を加えた瞬間から既に始まっていて、捏ねたり、形成したりするときがむしろ大事とも言えます。夢屋には空調設備がなく、早目にオーブンや発酵器を作動させ、その余熱で工房内を温めたりし、パンづくりに最適なコンディションづくりをしています。現在、パンづくりはメンバーがほぼ自分たちでできるようになり、私は補佐役に回っていますが、ある日、中島地利世さんが、自分で本を読んで勉強し、パン生地を捏ねるとき、ぬるま湯を使えばかなり寒い日でも発酵を助けることを知り実践してみたところ、今では冬場でもふっくらしたパンができるようになり、お客様からすこぶる好評です。
パンづくりを始め19年になる私はと言えば、不勉強この上なく、今更ながら、メンバ-たちのやる気に助けられていることを実感している日々です。そんな心強いメンバーや周囲の方々に支えられ、今年度も何とか乗り越えれそうだと本当に感謝にたえません。それでは1月から3月までの行事と予定をご報告させていただきます。

1/7  パンづくり開始とご近所への新年のご挨拶にメンバー皆で行きました。
1/10 乗馬のインストラクターの善野夫妻が訪問され、皆で楽しく歓談しました。
1/9 お薬師様の年明け初の落ち葉掃きの掃除
1/16宮本著の絵本『お月さまとゆず』が熊日出版文化賞候補作15点に選ばれました。
2/3 山田小学校から体験学習の打ち合わせに来られました。
2/6、2/12 竹原幸範さんと中島地利世さんの誕生日でそれぞれにプレゼントを用意し
たりし、大いに盛り上がりました。
2/15 古閑の滝を見に行き、メンバー皆、感激しました。
2/17 山田小から児童17名、職員3名が体験学習でパンづくりをしました。
3/14 阿蘇神社の火振り神事があり、メンバーも火振り体験をします。
3/20 山田小学校から卒業式のお祝い菓子(ケーキ)のご注文を受けています。

毎年、年が明けこの時期を迎えるたびに、阿蘇の冬の厳しさを実感していますが、それは裏を返せば、自然の豊かさの証でもあるとしみじみ思います。自然は正直です。恵みも厳しさも隠すことなくそのまま与えてくれます。そんな素晴らしい場所で、いよいよ来春は夢屋も20年目を迎えることとなりました。ここまで続けてこられたのも、パンを買って下さるお客様、温かく見守って下さる地域や行政関係者、そしてネットを通じて応援して下さる皆様など、すべての方々のお力と感謝申し上げる次第です。本当にありがとうございます。

特あらためて知った息子の存在の大きさ。
甲斐 聡美

昨年、夫が亡くなりその節は、皆様に大変お世話になりました。その後、次男や長女の家族がこれまで以上に頻繁に家に来てくれたり、仕事も手伝ってくれたりしながら何かと励ましてくれ、つくづく子どもや孫たちに感謝しているところです。
そんな中、普段の生活は、視覚障がいを持つ長男、誠との二人暮らしが始まりました。思い起こせば、夫の容態がよくないとき、娘がそのことを話しに行きますと、それまではじっと聞いていた誠が、娘が部屋を出て扉を閉めた瞬間、悲しみに満ちた大きな声を上げていたのが今でも心に残っています。そんないつもはとてもおとなしく物静かな息子ですが、今は、あらためて家にいてくれるだけでとても心が落ち着き、励まされています。
夫が亡くなる前も同じように朝起きて食事をしたり、お風呂に入ったりしていたはずなのに、その頃はあまり気になりませんでしたが、今は、一人で一階にいてシーンとしていても二階から物音が聞こえてきたり、CDの音楽が聞こえたり、誠が生活をしている音がするだけでとても落ち着きます。さらに、前は部屋の片づけなどもあまりしなかったのですが、布団をたたんだり、身の回りのことをずいぶんするようになり、しっかりしてきたようです。
これからも、そんな誠を始め、子どもや孫たちみんなで力を合わせやっていきたいと思っています。

別に何もないことが一番の素晴らしいお正月。
下村 津代
昨年の暮れから今まで、何か特別なことがあったかなあと思い出してみても、特別何かがあったわけではなく、でも、それが良く考えてみれば、私にとっては一番ありがたいことかなあと思っています。前回の号で手根管症候群の手術のお話をしましたが、今年もリハビリには行っています。でも、それ以外に今のところところは、大きな病気や怪我もなく、まずはそれが何よりです。
それでもちょっと暮れからお正月にかけてのお話をさせていただきます。
ここ数年は、盲導犬のウルマと一緒に宮地の阿蘇カラーさんに出掛け、写真を撮っていただき、それで年賀状を作って出させていただいています。いつも店に入ると、とても親切に対応して下さり、助かりますし、心が安らぎます。また初詣も行ってみたくないわけではありませんが、人の混雑や、階段などのバリアフリーの面、また果たして盲導犬を受け入れてくださるかどうかなど考えると、どうしても家でのお正月になってしまいます。
大晦日は、私も掃除の仕上げやお雑煮の準備をしたり、テレビを見たりして年が明けるまで起きていることになりますが、まず息子に新年の挨拶をした後、ウルマにも「おめでとう」と言い、体を撫でてあげます。私には、自分の掌を通じて、ウルマがこちらをじっと見てくれていることが伝わってきますので、今年もどうかよろしくね、と言葉を交わすのです。朝起きた時も、さあ、いっしょにまた一年間、がんばろうねと言葉をかけると、ウルマもきちんとこちらを見て、わかってくれていることが指先だけでなく空気、息づきいなどから伝わって来、そうした以心伝心の力で勇気づけられながら、また新しい年を迎えることができています。

『年明けのハプニング!! (@_@。』
☆中島 地利世☆

また新しい年が始まりましたが、みなさんは「お正月」いかがお過ごしでしたか?
1つでも、小さい事でも、みなさんに幸せな事がありましたように…と願っています。
私はというと、1月に入ってそうそう…お気に入りで長~く使っていたイヤーマフや財布を外で落とし、自宅の鍵までトイレに落とす始末…。そこで、今まで500円もするからと無視していた「阿蘇神社」のお守りを勧められるまま買ってみる事にしました。
(「正月くらい奮発しろ!」と思われるかもしれませんが貧乏性なもので…。)
やっぱり干支(午)の形のお守りが大人気ですが、多彩な色のデザインがあって、箱に
けっこう残っている物やどんどん売れていくものがありました。
なかでも一番人気のカラー(虹色みたいなもの)が早くも完売が当たり前だったのに、隅っこにたった1個だけ残っていて、大袈裟ですが私の為に残ってくれていたかのように思えてしまい、引かれるまま購入してしまいました。
それから肌身離さず持っていたら、何と財布だけは見つかってくれました。
よく行くお店で落としていたらしくて、ご親切な方が拾って届けて下さっていました。
「もしかして、もうお守りの力がっ!?」と、家族や知り合いみんなに話してまわると、周囲からは「いや、たまたまやって!絶対!!」という声が多かったですが、どっちにしろ、良いスタートに切り替わってくれたので、信じる者は救われると思う事にしました。(^₋^)
健康面の方では、以前から悩みのタネだった「親不知歯」を抜歯したのはいいですが、その後、炎症までおこして2~3日は大好きなご飯やおやつがろくに食べれませんでした。
母は「親に色々ようしてくれて知らんぷりしてないとにねぇ」としょうもないジョークを言い、一人でケラケラ笑っていました。(苦笑)
連日で歯医者に行く日もあり、「夢屋」を途中で早退させてもらったり、休ませてもらう日もありました。その為パン作りがバタバタになったり、竹原さんがわざわざ車で送って下さったり…みんなにまで迷惑かけてしまいました。
竹原さんは、忙しいのに私の分だけ特別に食べやすいお昼ご飯まで用意して下さって、そのまま飲み込む事もできたので本当にありがたかったです。おかげさまで、腫れや出血が少しずつひいていき、だいぶ完治する事ができました。
「午年」は12干支の中で活気あふれる最盛の年と聞きました。
なんとなくしか意味が理解できませんでしたが…(笑) 元気なイメージの印象をうけたので、年明けから悪くなった「親不知歯」ともお別れ出来て「健康面では大丈夫かな♪」と単純なプラス思考が復活してきました。
身も心も軽くなったところで、また今年もバリバリ頑張ってパンを作ります!ヽ(^。^)ノ

ちょっと耳より・ご紹介コーナー

今年最初にご登場願ったのは、蔵原の『サウンド・パラダイス』を経営しておられる竹下マイさんのお母さんです。

Q:現在のお店を開くきっかけは、いつどんなことだったのでしょう。
A:カラオケの機械の設置の仕事から始まり、カラオケBOXの店長をしながら店づくりと運営に携わった後に、独立して店を持つ機会に恵まれ、山鹿にまず一店舗を出しました。それから地元の阿蘇に1996年に店を開くことができました。

Q:お仕事で苦労されている点、またやりがいのある点はどんなことですか。
A:お客さんが利用して帰られるときに、「楽しかった、また来るね」と喜ばれると私もうれしくなります。また地元の方たちと触れ合う場でもあり、楽しいです。
苦労する点は、カラオケブームのときはにぎやかで活気もありよかったのですが、今は、カラオケの機械も次から次へと新しくなり、お客さんの「新しい機種を……」と言われる要望に応えることが大変です。

Q:これからの阿蘇市にどんなことを期待されますか。
A:障がいのある人も安心して地元で過ごせる場がもっと増えたらいいと思います。

Q:最後に「夢屋」に一言、お願いいたします。
A:私の娘のマイが支援学校を卒業後、夢屋さんに通うようになって8年になります。(出会ったのは阿蘇北中学校三年のときで、支援学校の時も体験学習に来させていた
だいていました)マイが体調が悪いときや、とても不機嫌なときも「大丈夫ですよ、どうぞどうぞ」と温かく迎えて下さり、とても助かり、ありがたいです。
お姉さんみたいにいつも優しく接してくれる地利世さんには、何から何までお世話してもらっています。本当に、感謝、感謝です。
アットホームな雰囲気で、マイも気持ちが和むのでしょう。迎えに行っても満面な笑顔で帰ってきます。
どうかこれからもよろしくお願いします。

 

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