夢イリュミナシオン

案内人            宮本誠一

  仲間を引き連れ どこかへ向かっている (地図はさっき燃やしてしまった)   見渡す限りの高い壁 顔色をうかがう 侮られぬよう   隠し持った表紙のとれた ハンドブック 丸腰一人 これ案内 […]

夢イリュミナシオン

ヘドロの海          貴田雄介

  阪神タイガースが優勝したら 道頓堀に飛び込む奴がおる そんで死んだ奴もおるらしい 夢の優勝に涙して死んだんなら 本望やったんやろか 地車のやり回しで死んだ男と どっちが幸せやったやろかって 比べてみたりして […]

夢イリュミナシオン

白灰             宮本誠一

満ち去ってしまった浮篊の沖に 竹矢を突き立てねばならない 潮位は陥没に堪えうるだろうか 採炭は土砂の投げ入れに勝るだろうか 海面座す船底に照る蒼空の遥か彼方から 矢の何倍もの耳付けの格子じまがやがては その何倍もの黒紫の […]

夢イリュミナシオン

A・I            宮本誠一

  AIじゃなくて A・Iなんだ 何度 言えばいいんだ 「・」がついてるだろ   声がさ 声が聞こえてくるんだ   うたってるんだ 泣いてるんだ ほほえんでるんだ ちゃんと話してるんだ &n […]

夢イリュミナシオン

スノウ            宮本誠一

机をどんとたたくうちに 掌は腫れてしまった ピクリと動きを止めたり、早めたり 無駄なく機敏な者たちよ 調教されていたのを知っていたのか   あれは何気なく鍵をかけ、帰ろうとした深夜だった 低く唸る声が聞こえてき […]