夢イリュミナシオン

無言叫           宮本誠一        

  深夜の受話器の咆哮が たちまちあたりを噎せ返らせると 撥上がる息が念と念の隙間に楔を打込み 言葉にならぬ言葉をメロディーで繋いでいた 突然鳴りだしたブルース セント・ジェームスの箴言よ   就寝し […]

夢イリュミナシオン

スイッチの前で       貴田雄介 

  未明の便器に腰かけて不図 E=mc²の式を思い出す 果たして原爆を発射するスイッチを 押すことが出来る人は この世にどれだけいるのか そんな問いが頭を擡げる (もちろん同時に その狙いは今どこに向いているの […]

夢イリュミナシオン

七十八と二の瞳       宮本誠一

  水涸れし花瓶 突きとおされた一本の鉄線 色褪せた葩からただよう 死臭 机下や棚の隅 本の隙間 用具入れ 息をひそめ 嵩をじっと待つ   たしかにそのときも、かすかに音がしていたのです。わたしは、直 […]

夢イリュミナシオン

巻頭言 二〇二五 寒月の候  宮本誠一

わたしたちは単に自発的な意識を「詩」という〈形式〉によって書く者であって、世に言う「詩人」ではないし、そう名のることから遠く距離を持つ者らである。しかしそのことと作品の質とは別問題であり、願わくばこの「夢イリュミナシオン […]