夢イリュミナシオン

母郷             貴田雄介

  上げ膳据え膳で息抜きになると 妻が溢すので憎んでさえいる 母郷へ   新幹線の腹腔を 頭から尻まで 具に探し回る少女たちは ゼペット爺さんを見つけられただろうか   暇を持て余し 懐手に […]

夢イリュミナシオン

帰郷             宮本誠一

  帰らねばならぬ日がちかづくたび おれの頭は崩壊しそうになる   キロ数ごと メートルごと アクセルを踏めば踏むほど 心の涙腺はズタズタになり 均衡はくずれ 恐ろしいほどの衝撃で 過去が襲ってくるの […]

夢イリュミナシオン

顏              貴田雄介

  美術館にいる数多の顔 と対面して 街にいる人の顔に 視線を伸ばすようになる 色と形を組み合わせ 定着されたイメージ 醜さにある美しさ 美しさの背に延びる影 首の上に乗った顔 目鼻口髪耳眉睫毛髭皮膚骨 そのど […]

夢イリュミナシオン

白影             宮本誠一

  白い影が あまねくあるのです あなどってはいけません 白い影は 黒い影より 恐いのですから 遠く長くうなりつづける 雷鳴 巨大な何かが今 目覚め 雄叫びをあげたのでしょうか   いいえ あれは悲し […]

夢イリュミナシオン

命からがら          貴田雄介

  胸の痛みに耐えられず目を覚ました 以前感じたことのある痛み いつもなら治るはずの痛みは一向に治らない 救急車 自家用車を運転しようか迷ったが 自家用車は三人の子に残さなければ 救急車を使用することに ささや […]