帰郷             宮本誠一

 

帰らねばならぬ日がちかづくたび

おれの頭は崩壊しそうになる

 

キロ数ごと

メートルごと

アクセルを踏めば踏むほど

心の涙腺はズタズタになり

均衡はくずれ

恐ろしいほどの衝撃で

過去が襲ってくるのだ

 

幼児の足で逃げ込んだ

あの道は何だ

誰かがくるたび

他人の門に身を隠し

忍びの者のように

一歩一歩後ずさった

 

あの行程こそが

今だ

今、この足でアクセルを踏む

重さそのものだ