顏              貴田雄介

 

美術館にいる数多の顔

と対面して

街にいる人の顔に

視線を伸ばすようになる

色と形を組み合わせ

定着されたイメージ

醜さにある美しさ

美しさの背に延びる影

首の上に乗った顔

目鼻口髪耳眉睫毛髭皮膚骨

そのどれもが同じではない

似ているように見えても違う

異なる来歴を負う

顔は生きてきた道をも想像させる

刻々と動く表情

表情に結びつく過去の出来事

無意識のうちに

視線は顔に引き寄せられる

一人一人の物語を

顔から読み取る