いつから           宮本誠一

いつからなのだろう

なにもしないということを

行為のひとつに入れなくなったのは

 

雨が長引く日

予定のハイキングも

庭いじりも

買い物もいかないことにし

家にいて

本を読んでも

すぐにあきてしまう

 

なにかやらなければと

重たい気持ちの底に

なにかをすることが

やることのすべてだと

思い込んでやしないか

 

なにもしないことも

やることのひとつだと

どうして思えないのか

 

いつからなのだろう

なにもしないと

なにかやった気がしないと

思うようになったのは

 

心も

からだも

なにもしない

なにも考えないことを

うけいれられるのはいったい

いつからなのだろう