炎              宮本誠一

ティピーの頂きに

朝日がかさなり

狼煙が静かに

稜線をたどると

阿蘇五岳の雪影は陽炎へ

かわっていく

 

風にあおられた

青紫の嘴とはばたきは

冷えきった肌理へ

痛みと安らぎを

もってくる

 

のっぺい汁片手に

白い息と湯気に囲まれた

言葉のうずの端々に

かっぽ酒は

縁を描き

 

作業の

しこりが

あしもとからわきだすと

呼び声でほどけた

こころもちが

すぐさま用意される

 

こげた

真珠磨が

糸を引き

竹をころがす

子どもらの口もとを

甘くぬらす

 

新年が

やってきた