「共」に「生」きる。 in 阿蘇

2019『夢屋だより』(114号)向春号(3/5発行)からの文章です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〇いよいよ春本番の到来を前に、皆様へご挨拶をさせていただきます。
作業所「夢屋」代表 宮本 誠一

今年も早いもので二か月が過ぎましたが、皆様、いかがお過ごしでしょうか。夢屋は前号でお知らせ致しました通り、昨年末から三月までパン作りなどを通した体験学習やこちらから出向いての総合的学習も多く、たくさんの児童生徒さんと交流をさせていただきました(感想の一部は6、7ページに掲載)。また今年から夢屋のある蔵原自治区の区長さんがお隣の竹原忠信さんになり、早速ご挨拶に行かせていただきました。忠信さんは夢屋がこちらへ引っ越してきて以来、毎年自分で生産されておられる新米30キロを寄付し支援してきて下さいました。障がい者へのご理解が大変深く、御自宅にはそんな忠信さんを慕われる地域の方がたくさん見えられていて、温かな雰囲気で親睦しつつ、皆さん将来の阿蘇や地域、未来の子どもたちのことを真剣に話され、そんな姿に大いに勉強させていただきました。本当にありがとうございました。
また2月16日は山田小学校の閉校式がありました。私は所用で出席できなかったため電報を打ち、前日にご挨拶に行かせていただきました。思い起こせば16年前初めて総合的学習で招かれ、毎年卒業式のお祝い菓子ご注文を受け、心を込めケーキを作らせて頂き、児童の皆さんがやって来ての夢屋での体験学習も恒例となっていました。少子化というやむを得ぬ事情ではありますが、一世紀半の歴史が閉じられてしまうことは本当に残念でなりません。これまでお世話になったすべての関係者と児童の皆様に心からお礼を申し上げたいと思います。
それでは2月から4月までの行事(予定も含む)をご紹介させていただきます。
2/8、12 総合的学習打ち合わせのため一の宮小の先生が来訪(2名)
2/25 一の宮小6年の総合的学習。テーマ「共にいるということはどういうことか」についてメンバー、スタッフが講話。小嶋康揮さんを中心にした夢屋の「共生」についてを提議。
3/4 山田小からの体験学習。(3、4年生9名と引率2名)
3/14山田小から、最後の卒業式のお祝い菓子のケーキづくりのご注文を受ける。
最後に夢屋の副代表であります竹原ナホ子さんも退職は山田小だったこともあり、思いを込め、次のような電報を打たれました。僭越ですが、ご紹介させていただきたいと思います。
『このたびの山田小学校の閉校に際し、心に穴が空いた様な淋しさを感じています。たくさんの思い出の中でも事故や災害で命を落とした若き魂のことを思うと胸が痛みます。学校は閉校しても6年間学んだことや思い出は生き続けます。どうか思い半ばで亡くなった仲間と共に、未来へ向かって力強く羽ばたいて行ってください!』
長い学校の歴史の中には、このような死を遂げられた児童や卒業生の方々もいらっしゃるかと思います。とかく名誉や栄光など輝かしい面に目は行きがちですが、短くはあっても精一杯生きられた無辜の尊い命のことも忘れないでいたいと自戒を込め思う今日この頃です。
いよいよ4月で熊本地震から丸三年になります。まだまだ厳しい生活を送られている方々が多くいらっしゃる中、これからも市民の皆様とともに微力ではありますが一緒に歩かせて頂ければこれ以上の喜びはありません。皆様の一層のご健康と御多幸をお祈りし、春本番前のご挨拶とさせていただきたいと思います。

〇『コウキ&マイ日記1月~2月編』☆チー☆
1月9日(水)
残念ながらマイちゃんはお休みで、初顔合わせが叶いませんでしたが、その分コウキ君が穴埋めのように大ハッスル!♪EXILE(エグザイル)ダンスのように、大きく身体を回して、下から上がってくるので「初日の出を表現しているのか?」と、皆を笑わせてくれました。
1月16日(水)
念願のマイちゃん、初顔合わせが叶いました~。朝から笑顔で、先週の分を埋めるかのように張り切って、感謝カードの色塗りをしてくれました。さっそく、お正月の出来事を聞かれると、大好きな家族の事を「帰ってきたもん…」と、嬉しそうに話してくれて、特に「お父さんはね~」、「お父さんがね~」と、いつもお父さんの話が多いように思います。
コウキ君も、やっぱりマイちゃんがいると嬉しいようで、そんなマイちゃんの様子を見て、何度も立ちあがっては、ハンカチを渡して、仲良く過ごしていました。
2月13日(水)
しばらくマイちゃんの休みが続き、なかなかメンバーが揃わず少し寂しい【夢屋】でしたが、今日はやっと会えて賑やかになりました。さっそくコウキ君もハンカチ交換♪嬉しそうに遊んでいました。最近、改めて気づいた事!マイちゃんは、私達に何かお願いごとがある時だけ、相手の事を「ね~先生~♪」と呼ぶので、おかしくて笑ってしまいました。
『ご近所に心強い味方!♪』         中島 地利世
月日のたつのは早いもの、ちょっと過ぎてしまいましたが、今年、一番 最初のお便りは、お正月にあった母のお話を書かせて下さい。
パーキンソン病の母は、最近だいぶ症状が進んでしまい、今では認知症状、幻覚症状、そして、視力がかなり悪くなりました。
にも関わらず、動きは活発ですぐ外に出たがるので、一時も目が離せません。
年が明けて元日の日、家族みんな仕事なので母と2人だけですごしていると「ぜんざいが食べたい」というので台所に立つと、窓にスーッと誰か歩いている人影が…
「もしや!?」と母の姿を確認すると、やっぱり部屋にいない!
私の母が住んでいるアパートは、二階建てで、外側に階段があります。
急いで追いかけると、ちょうどその階段を下りている途中で、一足遅く私の目の前で、階段の半分近く(10段位)、滑り落ちてしまいました。(-_-;)
そこに通りかかった初詣に来ていた数人の若い観光客のうち、1人の人が母を指さして「ハハハハ!」っと笑いだしたのをキッカケに、誰も止めずにその場にいた皆でクスクス笑い出していました。
倒れている人を見おろして笑うなんて、世の中にはこういう信じられない程、人を不愉快にさせる人もいるんだと頭に来て、その人達の方を見た瞬間、すぐに別の方から、近所の家の男性がたまたま犬の散歩で通りがかりに見ていたらしく、その観光客の人達に「なんがおかしいかっ!」と怒鳴ると、一瞬で静まりその場にいた人達は皆、不機嫌な顔ですぐに去って行きました。その男性は70代の人で、失礼ですがそれまでは少し怖いイメージがある人で、ほとんどお話した事はなかったのですが、母の病気の事など近所の噂で知っていたらしく、その後もすぐ柱に犬のリードを結ぶと、そばに来てくれて「大丈夫ね?」と足首を軽く回してみたりして、頬と手を少し怪我しただけで、幸い大きな怪我がなかったとわかると「とっさの受け身が良かったば~い!えらいえらい!」と、優しく接してくれて、母の身体を支えながら、階段を一緒に上がって下さいました。
それからは、お互いガラッとイメージが変わり、会うたびに「どこいきよんね?」とか「今日は調子は、どげんな?」など、気軽に話しかけてくれるようになり、母も心強いお友達ができたように楽しく話していて、すごく安心できるようになりました。
最近の出来事では、私事ですが2月12日に41歳になりました。
朝、送迎の車に乗るとすぐにお祝いの言葉をかけて貰えて、覚えてくれているだけでも嬉しいのに、朝一番で、宮本さんとさとみさんからのプレゼントや、午後からは毎年恒例になっている、誕生日パーティをしてくれました。そこでまた竹原さんやメンバーからケーキやプレゼント、コウキ君のノリノリダンス付きで、皆で歌まで歌ってくれて、すごく癒される時間でした。
おかげ様で41歳、数字の通り〝よい一年〟になりますように…と、いいスタートが切れました。
今年も「よい一年」なんとか元気で頑張っていきます。宜しくお願い致します。
皆さまにとっても、よい一年になりますように…。

〇昨年末から今年にかけ体験学習に来て下さった一の宮小や一の宮中学校の皆さんの感想をいくつか載せさせていただきました。心のこもった文章、ありがとうございました。
●50gにしました。パンのきじがふわふわでした。50gにきるのがむずかしくて、たてにちからをいれたほうがいいといわれて、とてもしやすかったです。パンのかたちがくずれたとき、やりなおしたらパンが小さくなるということをはじめてしりました。こんどまたよろしくおねがいします。
●わたしはじこしょう介のときにみんなの前でダンスをしました。やるときははずかしかったけれど、がんばっておどりました。パンの形はハートとクロアッサンとまるがおとメロンパンと雪だるまをつくりました。
●パンを50gにきりました。パンのかたちをつくりました。クロワッサンとかおにしました。やきました。そのあいだにまんざいを見ました。「きにしないきにしない」とゆうこさんが言いました。『みんなマイフレンド』の歌がおもしろかったです。
●パンの形をつくりました。ぼくはクロワッサンの形をつくりました。クロワッサンのつくり方をゆめやの人がおしえてくれてじょうずにできました。ありがとうございました。
●私は今日ひさしぶりに夢屋さんに行きました。ゆうこさんたちとひさしぶりに会って私はとてもしあわせです。また今度、みんなに会いたいです。
●一番にのこったことはパン作りです。自分で紙に作りたいパンを書いたのもおもしろかったし、50g切るときに、宮もっちゃんにほめられたことがうれしかったです。パンの生地をいっぱいくれてありがとうございました。
●このまえはパンづくりおしえてくださってありがとうございました。ぼくはまんざいがおもしろかったです。ぼくはパンがおいしくて、パンの本をかいました。いえでつくってみます。
●ぼくたちにパンの作り方を教えてくれてありがとうございました。ひさしぶりに会ってうれしかったです。来年もよろしくお願いします。
●パンがおいしかったです。ゆめやさんでつくったのがおいしかったです。またゆめやさんにいきたいです。わたしは一番楽しかっいたのはパンの星がたをつくるところがたのしかったです。またパンができたら学校にもきてください。来るのを楽しみにしています。
●楽しかったのはパンを丸くこねるところが一番にできたことです。二番目に上手なところはパンを切るところです。お家の人から「おいしい」と言ってもらいました。来年は大きめのパンを作りたいです。
●おせわにおりました。ゆめ屋のパンはとっても甘くておいしかったです。みやもっちゃん、いっぱいパンの生地をくれてありがとう。竹原さん、新しいニックネームをくれてありがとうございました。そして夢屋さんの人たちへ、ありがとうございました。
●ゆうこ子さんが、おいしいほしのパンをいっしょにつくってくれました。ゆう子さんとみさきさんがいっしょにうたをうたうのがじょうずでした。またうたをうたってください。わたしはパンをつくるのがたのしかったです。またつくりたいです。
●心にのこったことはパン作りです。パンを丸くすることが一番むずかしかってです。パンのきじのかんしょくは少しやわらかいかんじがしました。ぼくはおにぎりパンが一番おいしかったです。パンを食べてみたらあまくておいしく、しっとりした食かんでした。クルミとよく合います。
●ゆめやさんにパン作りに行きました。心にのこったことは、バスにのったことです。なぜかと言うとひさしぶりにバスにのったからです。あとパン作りに行ったことも心にのこりました。パンがおいしかったです。のこったパンはつぎの日、チョコをつけて食べました。
●ゆめやさんにいきました。まずパンをつくりました。そしてうたとまんざいをして、まんざいがおもしろかったです。パンはいいにおいでおいしかったです。あんなパンははじめてたべました。

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