「共」に「生」きる。 in 阿蘇

子猫のこと        佐藤清子

この話は、宇土市にいる娘が勤めている動物病院の出来事です。
猫は、質素な服装をされたおばあさんが新聞紙にくるんで連れてこられました。
広げて見ると、左手がひじの近くで、右足がひざの上で化膿していたので、先生は両方を切断すると決断され娘たちもたちあったそうです。
子猫は、おばあさんの畑に捨てられていて、二、三日、何か動いているので「生きとるばいなあ」と病院に連れてこられました。
ずいぶん長い間の介抱で食事はよく食べるし、傷もいえてきて歩き、その歩き方はちょっとへんでも、右手はひじでおりたたみ、左右同じ高さにし、後ろ足は片足で充分通用するとのことです。
連れてきたおばあさんに連絡すると「ようなってよかったな。うちで飼います」と言われましたが、猫が一般社会で生きていくのはちょっとむりなことを話すと、治療費35000円と餌代35000円だされたそうですが、治療代だけいただくの苦労したとのことでした。
宮地に娘が帰るときは飼っているプードルといっしょにかごに入れて連れて帰ります。しばらくして居間の様子になれると出口から顔を出します。
かわいいまだまだ子どもです。
名前はおにぎりちゃんで何ともわからない名前です。居間で娘が飼っているプードルとじゃれあうのですが、なかなか負けません。
おばあさんのやさしさと助けたいという強い思い、そして子猫の生命力が合わさって一命をとりとめたのだと思います。
昼間は病院のケージで過ごしますが、夕方からはプードルと同じケージの中に入れて娘の住まいへ帰り、かごから出し思いっきり遊ばせてやるそうです。
おにぎりちゃんの歩き方はスマートではありませんが、ぴょんぴょん跳ねたり、自分で技をひきだしてはびっくりさせます。今度帰ってくるときはまた新しい技を体得してくるに違いありません。

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